92.朝の嵐
「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。
お題:朝の嵐
「窓が悲鳴をあげてる」
普段なら起きない時刻に目覚め、私はリビングの窓を遠巻きに眺める。
窓ガラスが割れるのではないかというぐらいの風の強さ。加えて豪雨ときているものだ。
不本意ながら、私は思わずガッツポーズをしてしまった。
「さすがに今日は学校休みになるよねー」
「そろそろ連絡来ると思うけど……」
タイミングを計ったかのように電話が鳴る。お母さんが受話器を取ると、私は両手を強く握って祈った。
どうか、休みの連絡であれ!
「はい、わかりました。……あかねちゃん、今日台風で学校お休みよ」
「やったー!」
これが喜ばずにいられるか! 本当なら今日は体育でマラソンがあるうえ、数学のミニテストに英語の宿題があった。
それらが全ておじゃんになったのだから、私のテンションは最高潮に高まっていた。
「ちなみにお父さんも休みだぞー」
「そーなの? やったじゃん仕事行かなくて最高だよねっ」
ついついお父さんとハイタッチをかわす。今日は一日ごろごろしていられるとお父さんも嬉しそうだった。
「仕方ないわね、じゃあ今日はお母さんが代わりに授業を教えてあげるわ」
「…………え!?」
お母さんは元教員で、小学校の担任を務めていた。評判はとてもよかったらしい。
「いやいや、私中学生だよ? お母さんが教えられるわけないじゃない」
「大丈夫よ、宿題や問題みるぐらいならできるわ。じゃ、二時間後にまたここで会いましょう」
「……おーのー」
ある意味恵まれているというのだろうか。
家にいながらもお母さん先生に見張られる私は、無事に英語の宿題を終わらすことができたのだった。
オチ薄し。
台風になっても仕事休めません。




