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78.未来の駄作

「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。

お題:未来の駄作 必須要素:イタリア

「で、この作品の意図はなんなの?」


 部室全体がぴりぴり殺気立っているのは、紛れもなくいま問い詰められているあの人のせいだ。


「世界に絶望した主人公が、世界改変をするために異能の力を駆使する物語です。結果的になにも変わらないので、努力しても報われないのがこの世の常よってのがこの作品の意図です」


 周りが思わずどよめく。『努力は報われる』がスローガンの文芸部に対するアンチテーゼではないか。


「じゃあ、タイトルにはなにか意味でもあるの?」

「ありません!」


 部長の問いに怖気づくことなく、木町小町きまちこまちは堂々と答える。部長は少し顔がひきつっている。


「『イタリアの銀河鉄道』はなんとなく響きがよかったから付けただけです。イタリアも銀河鉄道も作中には登場しないのです。ほら、『北京の秋』もタイトルに意味はないでしょ?」


 部長の鉄拳が小町にお見舞いされるすんでのところで、我々は急いで部長を止めた。


「落ち着いてくださいぶちょー!」

「堪えて、堪えて!」

「黙れ、こいつを殴って私は帰る!!」


 この日の部活動はここで終了した。


「いや、あれはよくないって」


 放課後、公園のベンチで今日を振り返るわたしと小町。小町は別段気にしていないようだが。


「なにを書こうがあたしの自由だと思うんだけどね」

「だとしても、今回のお題とはかなりずれてる作品だよ」

「なんでさ、お題は『努力』でしょ。一応関連付けてるじゃないの」


 我が文芸部は、毎月一回出されるお題に沿った物語を書いている。お題を出すのは部長であり、書くのは文芸部全員。

 一応全員が作品を読むが、部長と副部長がメインで評価をくだすという仕組みだ。

 小町は文才がある。彼女の紡ぐ物語はどれも一波乱あり、読み手を飽きさせない妙な魅力を醸し出している。

 だからこそ、今回の小町の作品『イタリアの銀河鉄道』はかなり皮肉めいた内容であった。


「部長は汗と涙のスポ根系が好きなんだよ。努力して勝つ! みたいな熱血系」

「あたしは無理だなーそういうの。もっとえぐいの書きたい。登場人物全員消えちゃうのとか」


 部長と小町は相性が実に悪い。だけど、部長も小町の才能は認めている。


「ま、部活動である以上しゃーないか。少しは部長好みの作品を書いてきますよ。ものすげーつまんない部長が好きそうな駄作をね」

「無理やり駄作にするなよ」


 わたしは小町に憧れている。

 いつか彼女に並ぶ作品を、わたしも。

タイマーつけずに動画見ながら書いてたから所要時間がわからん。

キリがいいところで終了。

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