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70.昼間の嘔吐

「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。

お題:昼間の嘔吐 必須要素:グーグルマップ

 真昼間から酒をあおり、ふらふらと道路を徘徊している青年こそが、かつて無敗の剛腕と称された倉敷敏夫である。

 高校生時代は野球部のエースであり、彼が登板した試合は全て完封だ。ボールに重りが入ったかのような球質と球威は相手から長打を許さず、ホームランを打たれることは一度もない。

 このまま進めばプロ入りは確実と思いきや、彼は野球界に身を置くことなくそっと姿を消した。


「はあ、気持ち悪い……」


 二十歳をとっくに迎えたいま、敏夫は近くの草むらで嘔吐する。

 敏夫は高校三年の大会に出る前に、肩を壊した。

 力を失った生意気で天狗の投手には野球部の居場所はなく、彼は逃げるように退部している。

 いまではただの暇をもてあます大学生だ。


「……俺、なにしてんだろうなあ」


 自分よりも情けない人間は、この世に誰一人としていない。そう思ってならない敏夫はただただ自暴自棄に陥ることしかできなかった。

 もう少しすれば甲子園が始まる。その時期がなにより憂鬱だ。


「……」


 ふと何気なく、敏夫はグーグルマップを見る。彼の現在の趣味は意味のない行為をすること。昼間の酒を飲んだのも別に飲みたかったわけではなく、ただ意味もなくしたかっただけだ。本来、彼は下戸である。


「……ぷっ」


 グーグルマップのとある場所に、道路の真ん中で大きく両手足を広げている中年の姿があった。

 いつどうやってこの瞬間を捉えたのだろう。車の行き交いもあるはずなのに不思議だ。

 考えれば考える程おかしくなった敏夫は、少しだけ心が安らいだ。


「さて、講義に向かいますかね」


 意味ないことをすることは、ただただ楽しい。

 いままでストイックに練習に励んでいた敏夫にとって、昔と今のどちらが楽しいかと言われると、まだ答えられない。

ダウナー。

勢いで書きすぎて途中で何書いてるのかわからなくなってきた。

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