54.死にぞこないの大学
「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。
お題:死にぞこないの大学
私の母校である大学が、来年で廃校になることが決定した。
その知らせを聞いたときは意外でもなんでもなく、ああやっと潰れるのかと今更感が出るくらいだった。
ここ最近はどうだかわからないが、在学中はとにかく酷い有様だった。暴力沙汰、泥酔、窃盗、パラハラモラハラいじめ略奪愛となんでもあり。十戒や七つの大罪が具現化されたかのような無法地帯な大学である。
どんなバカでも金さえ払えば入学できるのが強みだが、卒業率は極めて低い。私はやむを得ない事情でこの大学に入ったが、なかなかに地獄な日々であった。
講義中に私語だらけは当然、酒をかっくらう学生もいる。
「水筒に焼酎入れてきたんだ!」と嬉しそうに喋る隣の席の学生にドン引きしたのはいつの日か。
なんだったらタバコをふかしながら麻雀に興じる者まで出る始末。ジャラジャラガチャガチャやかましいったらありゃしない。
名実と共に地に落ちたまま上がることのない大学であったが、唯一の利点としては食堂が安くて美味しいこと。特にあそこの唐揚げは絶品で、毎日毎食のように通い詰める者も少なくなかった。
……もっとも産地偽装やら食堂のおばちゃんが大学生に色恋沙汰やらでいろいろ問題はあったが。
そんな死にぞこないの大学が、いよいよ廃校か。むしろなぜいままでなくならなかったか不思議であったが、年々変わりゆく時代には勝てないというものだろうか。
特に悲しいとか残念だという気持ちはない。それでもせめて廃校になる前に一度くらいは母校を眺めておきたい。
そうだ、折角だから食堂の唐揚げでも食べてみよう。一時期は私も中毒のように食べていたが、卒業してからは一度も食していない。
少しだけ、楽しみだ――
久々に来た大学の食堂は一足先に営業停止になっていた。
料理の中によくない粉が混じっているのがバレたからだという。
ちょっとオチがわかりにくいか。
物語というよりは語りになっちゃってるなあ。




