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48.可愛いもこもこ

「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。

お題:可愛いもこもこ

「うちの犬が子ども産んだからさ、よければ一匹引き取ってくれない?」


 私はペットを飼ったことが一度もないのだが、これを機に動物と暮らすのも悪くはないかもしれない。

 友人は大型犬を飼っていて、ふわふわもこもこがぴったりの可愛らしいわんちゃんだ。

 ペットを飼うための事前準備を済ませ、私は早速友達から子犬を引き取った。


 手のひらに収まるくらいの小ささ。迂闊にいじったら怪我をさせてしまいそうだ。

 こんなに小さな子なのに、数年後にあんなに大きくなるのかと友人の犬を見てしみじみ思う。私の家は狭いからこの子にストレスにならなければいいが。


 折角なので名付けてみる。


「今日からきみはわたあめちゃんだ」


 我ながらネーミングセンスの良さが恨めしい。

 わたあめちゃんは最初こそは粗相や暴走を繰り返していたが、日が経つにつれ賢いわたあめ、いや白くふわふわとした立派な体格へと成長していった。

 わたあめちゃんは私との散歩が大好きで、常に私との歩幅を合わせてくれる。

 一緒にお昼寝をするときなんて私の耳に顔をうずめていびきをかくという愉快っぷり。くすぐったいしうるさい。

 この子と暮らせてよかった。このまま幸せな日々が続けていればいいなと思ったのに。


「辛いお知らせをしなければなりません」


 先に余命宣告を告げられたのは、私。

 もともと患っていた持病が悪化し、もって数年だそうだ。

 わたあめちゃんはまだ五歳。まだまだ育ちざかりだというのに、肝心の私が先に逝ってしまう。

 私のことはもうどうでもいい。わかっていたことだし、短い寿命が予想以上に短くなってしまったことだ。

 問題なのは、わたあめちゃんだ。

 私がいなくなる前に、わたあめちゃんの引き取り先を考えなければならない。

 しかしその問題はあっさりと解決した。私にわたあめちゃんを授けてくれた友人が面倒を見てくれるという。

 ああ、それなら安心だ。あの子の生活の保障がされていれば、心置きなく私も休める。

 ただ、願わくば。


 夢を見た。

 年をとっても、私が老人になっても、元気なわたあめちゃんと一緒に散歩をしている光景。

 わたあめちゃんはすごくすっごく嬉しそうで、私が杖をついてよぼよぼ歩いているのにも関わらず、歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれている。

 普段はめったに吠えることがないのに、何故だか今日は喚くように鳴いている。

 まるで、私に向かってなにかを話しているようで。


 ではでは最期に。

 あなたと過ごした幸せは、絶対に忘れない。

わたあめちゃんの引き取り先についてのところで15分オーバー

こんなはずじゃなかったんだが……

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