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26.宿命の宇宙

「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。

お題:宿命の宇宙 必須要素:外国語・外来語禁止

 散歩中、困り顔でうろうろする女性がいた。


「あの、どうしました?」


 金髪で長い髪、遠くからではよくわからなかったがかなりの美人だ。

 下心があって声をかけたわけではない。困っていそうだから助けようとしたのだ。


 しかし、女性はきょとんとした表情で何も返さない。

 もしかして、日本語が通じないのだろうか。


「えーと、どうしたものか……」


 なにか他に手はないかと考えていると、女性は拙い発音でこう答えた。


「わたしは、うちゅうじん、です」

「……はい?」

「おいしい、たべもの、さがして、ます」

「……はい」


 突拍子もない発言ではあるが、その美しい顔に免じて一言目は聞かなかったことにしよう。


「じゃあ、寿司でも食べます?」

「す……し」

「おごりますよ」


 けして美人だったから誘ったわけじゃない。

 けっして。


 回転寿司ではあるが、女性は大変興味深そうに回る皿を眺め、大変不思議そうに素手でまぐろを食す。


「おいしい……です、ね」

「そうでしょうそうでしょう」


 たらふくお寿司を食べ終え、会計は当然自分。むしろ奢らせてくれてありがとうございます。


「他にどこか食べたいものとか行きたいとことかあります? なんでもいいですよ」

「……どうして、ちきゅうじんは、そんなにやさしい、のです?」


 そういえば宇宙人と仰っていたか。ちょっぴり電波系なのかもしれないが、真面目に答えてあげるとしよう。


「どんな相手でも親切にするのが地球人ってもんなんですよ」

「ふむ……」

「ま、いわゆる宿命ってやつです」


 でも、できれば見返りはほしかったりする。


「なるほど……じゃあ、わたしも自分の責務を全うすることにしましょう」


 急に流暢な言葉遣い。

 なんだ、この美人は自分をからかっていたのだろ…………


 …………あ、れ?




「どうですか、体の調子は」

「なかなかいいね。だができればきみみたいな女性であるともっとよかったんだが」

「そこは我慢しなさい。体を乗っ取れるだけで充分すぎるのですから」

「そうだな……この調子で、もっと同胞を増やしていこう」

「ええ……我々宇宙人の侵略は、既に始まっていますからね」

前回があまりにもひどかったんでリベンジ。

かなり唐突で強引な展開だけど勘弁してくだしい。

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