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22.燃える芸術

「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。

お題:燃える芸術

『芸術は爆発だ』とはよく言ったものだが、あくまで爆発とは比喩表現であって実際に爆発するものではない。

 しかし神柳学園美術部部長の葉巻小翅はまきこはねは、爆発とまではいかないがよく自作品を燃やして台無しにする。

 それが他者から見て素晴らしいと思えるような傑作だとしても、彼女自身が気に入らなければ即ファイヤーだ。


「どうしてそんなことするんですか? もったいない」


 小翅部長を慕ってやまない後輩の杉内が聞いたことがある。小翅部長はしかめっ面で杉内にでこぴんをかましたのち、堂々と答える。


「燃えてこそ芸術なのよ」


 杉内はもちろん他の部員も全くぴんとこず、結局小翅部長の奇行として有名になっていた。


 そんなある日、初めて小翅部長が燃やさなかった作品が展示されていた。

 完成したらすぐ燃やしてしまうので、小翅部長の完成品をじっくりと拝める機会はめったにない。美術部部員どころか彼女の絵に興味がある者はすぐさま展示場所に集まった。


「……これは」


 荒々しいまでに赤や橙、黄色をあますとこなく使い、ひたすら画面いっぱいに塗りたくった大胆な構図。

 しかし、一目見て誰もがこれを炎と把握できる内容。あらぶり、盛り、燃え広がる炎が画面狭しと暴れていた。

 各所に点在する黒色は、おそらくいままで燃えカスとなったかつての作品達だろう。


「うん、我ながらいい出来」


 満足そうに最後尾から眺める小翅部長。隣にいる杉内はなにか納得した様子だ。


「もしかして、これを描くためにずっと燃やしてたんですか?」

「さーねー、燃えてこそ芸術なのよ」


 いままで燃やした作品達の集大成、ここにあり。


「さて次はどうしようかしら、今度は濡らすのもおもしろいわね」

「あ、だったら次は爆発させてみません?」

「きみときおりおっかないこと言うわよね」


 小翅部長の渾身の力作を、また心から楽しみにする杉内だった。

満足そうになったところで15分オーバー。

オチがいまいち。

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