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2.少年の結婚

「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。

お題:少年の結婚 必須要素:つけ麺

「ぼく、大きくなったら先生と結婚するんだ!」


 なんて嬉しい愛のプロポーズ。しかし相手は小学一年生。年の差は二十以上あるうえに少年が大きくなったら私も年をとってしまう。

 しかし、生徒にこんなにも好かれるなんて教師冥利につきる。


「うんうんありがとう、じゃあ十五年以上経って気が変わらなかったらまた言ってほしいな」

「わかった、約束だよ!」


 そのときはそうやんわりと断ったのだが、十五年以上経ったいま、ふとそのことを思い出した。

 あの子は元気でやっているだろうか。あの子との繋がりは小学校を卒業してからとっくに切れていたが、あんなにも無垢な笑顔で言ってくれたのはあの子が初めてだった。

 子ども時代にありがちな大言壮語。だけども子どもにとってはそのいまが大事なひと時であり、たとえ将来忘れていても大きな原動力になる可能性だってある。

 きっとあの子の情熱は、他の子に向けていることだろう。きっと、幸せな生活を送っているに違いない。


「おかーさん、おなかすいたー」


 はっと我に返る。今年で小学生になる次男の息子が私に飛びついた。


「あーごめんねー。じゃあお昼にしよっか、何食べたい?」

「えっとねーじゃーねー、つけ麺!」


 子どもながら渋いチョイスだ。だけど私のつけ麺は子どもの大好物だ。


「わかったわ、じゃあいますぐ作るからね」

「わーいやったーおかーさん大好き!」


 そして息子は笑顔でこう言った。


「あのね、ぼく、大きくなったらお母さんと結婚するんだ!」


 純真無垢な、抱きしめたくなる笑顔。

 きっとこの子も、将来幸せな道を歩めるだろう。

なんかこう、昔と今をリンクさせたかった。

つけ麺のぶちこみどころよ。

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