表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/518

19.真紅の怒りをまといし弁当

「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。

お題:真紅の怒りをまといし弁当

 昨夜、妻の機嫌を損ねてしまった。

 妻は毎日私に弁当を作ってくれるのだが、ついいらぬことを言ってしまったのだ。


「いつも白米に冷凍食品だから、たまには凝った弁当がいいなあ」


 私としてはちょっとした軽いお願いだったのだが、妻は「なんだと!?」と私の胸ぐらを掴んで激怒。


「だったらわかったわよ、明日は楽しみにしてなさいよ!!」


 殴られるかと思ったがその日はそれで終了。しかし機嫌が直るはずもなく、今朝も無言で弁当を渡された。

 いつもあった「いってらっしゃい」も声もなく、少しさびしい。

 よくよく考えれば怒るのは当然だ。冷凍食品だろうがなんだろうが、準備するということは面倒くさいほかない。妻はいつも文句ひとつ言わず作ってくれたのに、私が文句を言うとは何事だろう。

 気が重くなる。いま私ができることは、妻が作ってくれた弁当を美味しく食べ、帰ったら感謝の意を告げることだろう。

 昼休みになり早速弁当のフタを開けてみる。

 さて、なにが入っているのか。


「……」


 赤い。赤すぎる。二段重ねの弁当の一段目は、紅ショウガで埋め尽くされている。

 いつもは白米がぎっしり詰められいるのに、米が一粒たりとも存在しない。


 二段目もなんてすばらしい役満も驚く赤一色。トウガラシ、パプリカ、ヘタなしミニトマト。

 そして私の大好物のイチゴ。

 なにから食べればいいのやら。




「ただいま」


 帰宅。しかし妻は相変わらず無言である。鋭く睨みつけてくる視線が痛い。


「あのさ、今日作ってくれた弁当なんだけど」


 私は弁当箱は開けると、妻の表情が変わった。


「……もしかして、全部食べたの?」

「うん、食べ応え抜群だった」


 弁当箱は、一段目も二段目も全て空っぽ。紅ショウガの一つも残さず完食だ。


「いつも弁当を作ってくれて、本当にありがとう」

「まったくもう、バカなんだから」


 ご機嫌取り用のショートケーキでさらに追い打ち。妻の笑顔を見事取り戻した!

 真紅の怒りをまといし弁当は、もう存在しない。

 三人称の練習を書きたいのに一人称ばっかになってしまう。

 そして人数も二人ばっか。よろしくない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ