14.捨てられた魔物
「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。
お題:捨てられた魔物
しがない戦士をやっている身だが、この度気分転換に夜道を散歩中、衝撃的なものを見てしまった。
倒せば経験値ががっぽり入るという評判のキラキラスライムの群れ。親子もいるのか、眠っている子キラスラを抱きかかえている親キラスラもいる。
そんななか、親キラスラは子キラスラをそっと地面に置くと。
そのまま群れとともに逃げ出してしまった。
まさか、捨てた?
魔物の世界に世知辛い事情があるのかはわからないが、ちょっと悲しい出来事だ。育て切れなくったのだろうか。
取り残されたにも関わらず、子キラスラはのんきにすやすやと眠っている。
ちょっと近づいてみる。起きない。
だいぶ近づいてみる。起きない。
触ってみる。起きない。
このまま放っておけば他の冒険者に狩られてしまうだろう。
そうはいかないと、私は子キラスラをそっと持ち上げた。
なおも起きない子キラスラを我が家に連れて行き、そっと布団をかけてあげる。
完全に熟睡中の子キラスラの隣で私も眠るのであった。
次の日目覚めると、子キラスラは私の顔を舐めていた。魔物というのは人に対して好戦的であったりすぐ逃げ出したりするのが一般的であるが、こうした懐かれることはめったにない。
警戒心ゼロの子キラスラを見て、私は胸が痛くなる。
本当はあの場で倒してしまい経験値を独り占めしようと考えていたのだが、こうも魔物らしくないと倒す気も失せてしまう。
しばらくは私がこの子の世話をするとしよう。
三日後。
やっぱり我慢できなかった。
経験値うまし。
無理やり十五分以内に詰め込んだ結果。
鬼か。




