13.オチは私
「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。
お題:オチは私 必須要素:街灯
大変なものを目撃してしまった。
街灯の一番上に、どうやったのか豚がぷるぷる震えながら立っている。
「誰かがおだてて登らせたのか……?」
バカみたいなことを呟きつつ、私は街灯にそっと近づく。周りは私以外誰もいない。
豚はぶぅぶぅか細い声で鳴いている。まるでSOSを求めているかのよう。
このまま放っておくのはあまりにもかわいそうだ。助けを呼びに行ってもいいが、その間に落ちてしまったら元も子もない。
いますぐ彼を救えるのは、私しかいない。
「いま行くからね、豚!」
そうして街灯に手をかけ、登り始める。
わかっていたことだが、きつい。
引っ掛かりがほとんどないから支えになるものが存在しない。信じられるのは己の握力と腕力、少しでも気を緩めたら地上行きだ。
子どもの頃はよく登り棒で遊んでいたし、学生時代はサッカー部で鍛えてきた。いまではすっかり運動とは縁がないが、それでも無理ではない。
「待ってろよ、豚ぁ!」
呼応するように豚は鳴く。なんてかわいそうな奴なんだ。
私は死に物狂いで登り続ける。暑いうえ、汗で手が滑りそうになる。
だが、ここで私が諦めてしまったら、豚は――
「うぉぉぉぉぉぉおお!!」
どれだけかかったかわからない。
しかし私は、ついに最上へと上り詰めたのであった。
「やったなあ豚! これで助かるぞ!!」
豚と私は熱い抱擁を交わし、これにて一件落着。
だが。
「……どうやって降りればいいんだ」
豚を持ったまま降りるのは至難の業。
結局私は、豚とともに街灯の上に取り残されてしまった。
「誰かー! 助けてください!!」
私と豚は一生懸命大声を張り、SOSを求め続ける。
数分後、通りすがった何人かが私達の姿を目撃すると。
「なんだあれ、なんで豚と人が」
「どういう状況なんだよ……」
呆れるように見つめられているが、彼らはレスキューを呼んでくれた。
無事救助された私と豚。豚は保護され、私は以後気をつけるようにと厳重注意。
とほほ、もう豚を助けるのはこりごりだよう。
シチュエーション謎すぎる。
そして本当に私でオチが務まるのか……?




