102.愛と欲望の空
「即興小説トレーニング」にてお題を頂いて書いております。
お題:愛と欲望の空
「空がピンク色だ」
青空や夕焼け空はよく見るが、こんなにも桃色に満ちた空の景色は見たことがない。
異常気象かは不明だが、不思議と見入ってしまう。
桃空による影響かやがてハルタは興奮し始め、いまならなんでもできるという気持ちへと昂っていく。
「よし、告白しよう!」
そうしてハルタは前々から恋焦がれていた同級生、フユノのもとへと向かうのであった。
「フユノさん!」
インターホンを呆れるまでに押し続け、フユノが出てくるのを待つ。
何事かという形相で現れたのはフユノの母親。
「フユノフユコさんはいますか!」
「……あなたは?」
「僕はフユノフユコさんと同じクラスのハルノハルタです!」
怪し気な表情でハルタを見つめ、フユノの母親は尋ねる。
「フユコになにか用事?」
「好きだって言いにきました! ついでにチューもしたいです!」
バタン、とドアを閉じるフユノの母親。
なにかおかしなことを言ったか? とハルタは首を傾げる。本人は至って真面目に告白しようとしたのだが、何故だかオブラートに包まれず欲望の本音をぶちまけてしまった。
「……あれ」
気がつけば、空はピンク色から青色に。
そのときハルタは正気に戻った。
「俺、なんてことを……」
先ほどの失言を思い出し後悔する。普段の自分ならばチューどころか告白もままならないのに、どうしてあのような発現をしてしまったのだろうか。しかも本人ではなく母親の前でだ。
空がピンクに満ちたとき、一時的に己の欲望が全開となる。
そんな怪奇現象が少しずつこの世界に現れ始めていることは、まだ知る者は少ない。
ひでえ終わり方。
不思議系シリーズが個人的に流行ってるのかもしれない。




