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学園到着
善は急げ、とでも言うようにその日のうちに学園へ編入することとなった。
「後は大人の仕事だ」と言われ、様々な書類にサインをした後は例の輪っかをくぐって学園へと足を踏み入れた。
近くに窓があったが、既に夜の時間になっていたため、外も暗く辺りは静かだった。
「では、一瀬さんはこちらの部屋を使ってください。一人一部屋で、あまり大きな音を出さない限り隣室には影響が無いので、気にしないでくださいね。」
若干ひそめられた声は私の緊張をほぐし、途端に大きなあくびを出してしまった。
「はっ、すみません!」
「いいえ、気を緩めてもらえたならそれが良いです。」
それから「続きは明日」ということになり、荷ほどきもせずにベッドに身を投げ出した。
今日あったことを振り返ろうと思考を巡らせるが、いかんせんあの閉鎖的な空間から離れられたことを思うと張り詰めていた糸が切れるように、緊張状態が解けてしまい、どっと疲労感が押し寄せてくる。
何かすることがあるはずだったが、そこで意識はなくなった。