銀腕の機士と穢れた世界のエスカトロジー

世界は千年前の『大天罰』によって大きくその歴史を変えた。
突如として起きた大災厄によって、栄華を極めた『パンドラ文明』は滅び去った。
そんな先史文明の滅びから千年。水は濁り、大地は穢れ、緑は腐り堕ちた。
生命活動に必要な大気すら、僅かでも吸えば死に至る。
更には、何処からともなく顕れた謎の生物『魔獣』によって、人類文明の名残は跡形もなく破壊されていく。生命が生存するにはあまりに過酷な退廃の世で、それでも人類は生き残るため、かつては地上世界と呼ばれた『下界』を捨て去り、浮遊都市を建造することで遥かな『空』へと逃れた。
そんな、全てが終わった末世たる世界で『少年』は歩きだす。