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166、爆弾の投下と後片付け。

 



 茫然自失のリズさんを軽く放置しつつリビング内を廻って皆と話をする。

 オリジナルパフェ作りはかなり好評だった。作りたいと言ったアステルとイオに感謝だ。


「これは、『こわくのひめごと、いちごあじ』」

「ぼくのは、『バナナとチョコのらんでぶー』だよ」

「ぼくの? ……ぼくのは…………『ダンスパーティーでであいましょう』かな?」

「「くっ、やるなおぬし……」」


 見てはいけなかった。ガチで見てはいけないものを見てしまった。アホネーミングがマシューくんにまで感染するとは。なんだ『蠱惑の秘め事、苺味』って。どこで覚えたその単語。


『カナタ、アレはどういう事だ!?』

「ヒッ…………カンさん」

『チビ達が何でか変な名前をパフェに付けて遊んでるんだけど、まさか……お前の入れ知恵とかじゃ無いよなぁ?』


 ――――いやー、何と言いますか……ねぇ。


 キョドキョドと視線をさ迷わせるしか出来ないチキンな私。


『カーン、違いマスよ! 日本で、ヘンな名前のパフェ屋サン、流行ってルンですヨ』

『あー、トマさんと行ったわねぇ。奏子ちゃんも皆で行ったって爆笑してたわー』

「あ、そうなんですよ。皆で行ったらあの子達ハマっちゃって……あれ? カンさん日本語話してた?」

『あ、親父達と話してたからそのままでなー』

「むー、相変わらず、解りづらーい。便利六割、面倒四割です」

『いやいや、便利九割だろ!』

「いやいや、あっちに帰って観光してた時に、流暢なフランス語言われたんですよ! メッチャ焦りますからね!」

『ハッハッハ! ボクには流暢なイタリア語ダヨー』

『え? そうなん? 親父、よく戸惑わないな』


 トマーゾさんは割りとグローバルな友好関係が多いらしく、多言語入り交じりで会話する事があるから慣れているんだそうな。ちょっと尊敬した。只のノリの良いおじさんではなかったらしい。

 色々と話したりしていると時間が経つのも早いもので、終了予定の三時になっていた。終わりの挨拶を皆の前に立ってする。こういうのって妙に緊張するけど、手に人って書いて飲むのって本当に効くの?


「えーっと、本日はお集まり頂いてありがとうございました。皆とキャッキャウフフ出来て楽しかったです。今日は主に私が日常的にご迷惑やら無茶振りやらしてる人達へのお礼も兼ねての会でした」

「良く解ってんね、カナタちゃん!」


 ジュドさんからヤジられた。テッサちゃんにも「思い立ったが吉日とか言って爆弾投下するのヤメロー」と言われた。皆に笑われた。

 確かに爆弾の被害はバウンティとテッサちゃんが多い気がする。


「いやね、思い立った時に言っとかないと忘れるじゃん? って、それは置いといて。そのー……えへっ。ご報告がありまして……」


 今度は何する気だと皆がザワザワしてしまった。

 

「えー、第三子を妊娠しました」


 あ、何かシーンってなった。え? こんな場で報告するなって事? 知らんがな! 的な? 物凄く静かで……皆の視線が…………あれ? 私に向いてない。何か横にズレてる。横にいるのはバウンティ…………。


「どぉわぁぁ。何? 何で泣いてんの!?」


 引くほどボロ泣きしてる。いや、貴方の子ですよ? しかも貴方が何か計画的にシてたじゃないっすか。その結果なんすけど……。と声を大にして言いたい。

 そして、皆が「え? バウンティに涙腺あるの?」とか「何でボロ泣き!?」とか「え? 不貞の子?」とか「バウンティって子供好きだよね」とか「そこまで泣くと引く……」とか色々言われてるけど、不貞では無いからね! ちょっと! 言ったのジュドさんだよね!? もう、ジュドさんにお土産は無しにしよう。

 

 ――――チュッ。


 色々考えていたら横からムギュッとバウンティに抱き締められて側頭部にキスされた。段々とムギュッからギチギチになりだして慌てて腕をタップした。


「まー、そんな訳でまた暫くしたら話さない時期が来ますがスルーでよろしくお願いします!」

「あ、その報告ね! 確かに大切だね! おめでとう」

「あー、なるほど。おめでとうカナタ」

「「おめでとう」」

「へい、ありがとうございます」

「ふふっ、三人目の孫はどっちかしらね?」

「カナター。よくやったぞー!」


 ゴーゼルさんに頭をグリグリ撫でられた。


「ヤったのは俺――――ウグッ」


 全く間に合わなかったけど、馬鹿なバウンティにおへそドシュッはしてやった。

 皆におめでとうと祝福されて幸せイッパイでパーティーは終了した。




 さて、後片付け頑張るぞと思ったら、孤児院組からの引っ越し祝いはなんと、後片付けのお手伝いさん四人だった。


「バウンティから二十人近くは来るって聞いてたからね。二時間の約束でお小遣い渡してるわ。好きに使って良いわよー。あ、余ったの食べたいって言ってたから、有るならおやつに食べさせくれると嬉しいわ」

「っ、何て有り難い。え、余り物でいいの?」


 多少余ってはいるけど。取り敢えず、パフェとかまだ作れそうだし、お仕事終わったら食べさせてあげよう。って事でお皿洗いやリビングの片付けをお願いして、私は玄関で皆を見送った。


「カナター、俺達の部屋は何処だ?」

「カン様、失礼いたしました。直ぐにご案内致します。エズメリーダ様とダニエレ様もご案内致しますね」


 セルジオさんがサササッと現れてカンさん達を二階へ案内してくれた。

 カンさん、ご両親、エズメリーダさんとダニエレくんは今日から暫く我が家に宿泊なのだ。

 明日はエズメリーダさんとダニエレくんにローレンツ内の案内。カンさん達はいつも通りラセット亭に行くそうだ。明日のお昼はラセット亭に予約を入れている。何気に明日が楽しみだ。




 この日より「妊婦だから――――」と、皆に色々怒られて、ションボリするカナタさん。

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