162、皆で準備。
新しい家にも馴染んで一ヵ月が経った。予定していたパーティーは明日だ。
パーティー前日の今日は、作り置き可能なパーティーフードや下拵えを朝から皆で準備をしている。
「カボチャサラダとポテサラは今日作っていいかな。あ、ミートソースとキーマカレーも作っておこう」
餃子も包むまでで作り置きにして冷凍庫に入れておこう。たこ焼きは焼いておいて明日のパーティー直前に揚げタコにする予定だ。
キッチンが以前の家の二倍はある。コンロは二つ口と三つ口と少し離れた場所に、あり同時進行もしやすくなった。
「ママー、たまごわったよ」
「おー、ありがとう。次はミニトマトのヘタをプチっと取ってくれるかな?」
「「はーい」」
子供達はイスに座ってお手伝い。監視はバウンティ。セルジオさんが手拭きを渡したり、ゴミの片付けをしたりと、合いの手を入れてくれている。
ケイナちゃんにはカボチャをチンしたり、ジャガイモを湯がくのをお願いし、シエナちゃんにはハムやキュウリの千切りをお願いした。
そして、私は錦糸玉子作りだ。フライパンを温めて、溶き卵を薄く全体的に伸ばす。火が通ったらフライパンからペロリと剥がしてお皿に取り出す。何枚か作ったらハリセンのようにたたんで千切りのように細く切り、パラパラとほぐしてタッパーに入れる。
「これは何ですか?」
「むふふ、冷やし中華の具だよ」
夏と言えば冷やし中華でしょう。明日のパーティーでもミニボウルで出すけど、今日のお昼も兼ねている。
「ゴマダレは?」
「この前の作り置きがまだまだあるよー」
「ん。じゃあ、ディップ作る」
バウンティが冷蔵庫から色々と出し始めた。最近はハンディーブレンダーにお世話になりすぎて、マヨでのバウンティの出番が無い。ディップとゴマダレ作りは自分の仕事だと死守しているもようだ。
ミニトマトのヘタ取りが終わった子供達とディップを作るらしい。
「あぁぁ、もう始めてしまわれてたんですか……」
洗濯物の担当だったプリシラちゃんが裏庭から戻って来てガックリしている。ケイナちゃんとジャンケンして負けたらしい。
プリシラちゃんにはミートソースとキーマカレーに使う玉ねぎとニンジン、ピーマンのみじん切りをお願いした。
ある程度キリが良い所でお昼と休憩にする。
「あー、冷やし中華最高ー。醤油ダレとからしも良いけど、ゴマダレの方が好きなんだよね。いや、坦々ダレも捨てがたい……」
「からいのダメー」
「ピリッくらいだよ? ピリッ」
「…………ママを信用するなよ?」
「「うん!」」
酷い言われようだけど、否定も出来ないし、スルーすることにした。
「プレートで何か焼く?」
「デザートは?」
「アステルが自作パフェしたいんだってー。百円ショップでそれっぽいカップ買ってたじゃん? 大人はシャンパングラスとかで作れば良いんじゃないかなって考えてたけど……どう?」
「ん! なら、プレートでチーズタッカルビしたい」
「お、良いねぇ」
子供達がお昼寝したら、日本の業務用スーパーに行って大きいパックのアイスとアイスを丸くとるスプーン、あれ……名前何だろ? ま、いいや。それから、製菓用のチョコチップとかも欲しい。スーパーは家から近いから、一旦家に行って買って来ようと心の中で予定を立てた。
「たでーまー」
「ん、結構時間かかったな」
「色々と見て回っちゃった……ごめんね。お土産はパインアイスね」
「ん!」
チョロい。チョロすぎて本気で心配になる。きっとバウンティも『パインあげるから』とか言われたらホイホイついて行きそうだ。
ちょっと心配になりつつも、パインアイスを渡して、荷物の片付けに向かった。
「カナタ様、これ何味ですか?」
「イチゴ味だよ。他はバニラとチョコね」
チョコソースや黒糖ソース、抹茶ソース、イチゴソースなんてのも買ってきた。明日のパフェ作りが楽しみだ。
キッチンで先程の続きを再開する。バウンティはお昼寝がら起きてきた子供達とおもちゃで遊ぶようだ。
パーティーと夜ご飯の準備を同時進行した。結構バタバタしてしまったけれど、そのぶん明日の朝は結構楽が出来そうだ。
翌朝、少し早めに起きてキッチンに向かう。
「あれ? おはよー。もう起きてたの? まだゆっくりしてれば良いのに」
「カナタ様こそ。早起きして準備しとこうとか考えられていたんでしょう?」
まだ六時なのにバッチリ着替えて、お仕事開始! といった雰囲気のシエナちゃんがキッチンにいた。
どうやら私が早く起きると予想していたらしい。
「えー、どーだろうねぇ」
「はいはい、何するんですか?」
「なまもの系とかでフィンガーフードと、ピーマンカップでも作ろうかなぁって」
サーモンや鯛のカルパッチョとクリームチーズやミニトマトをピンチョスにしたり、カナッペにしたり、小さめのピーマンを縦半分に切って、カップに見立ててミートソースやホワイトソースと色んな具材とチーズを入れてオーブンで焼いたりしようかと考えていた。
昨日の内に下拵えは終わってるので、盛り付けて調理するだけではあるのだ。
「おや、もう起きられてましたか……カナタ様、おはようございます」
「セルジオさんおはようございます」
「私はお茶でも入れますね」
セルジオさんが、少し濃いめの紅茶を入れてくれた。
作業しつつ話していると、始業時間になり、プリシラちゃんが起きて来て、ケイナちゃんが出勤した。
そこからはケイナちゃんに軽めの朝ご飯の用意をお願いして、私達はラストスパートをかけて準備に取り組んだ。
皆が来だす十時にはどうにか間に合いそうだ。
ナマモノを早めに用意すると冷蔵庫でシオシオになったり……。




