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157、居酒屋で夕食

 



 商店街でお買い物後、とーさんに迎えに来てもらって家に帰った。荷物の多さに笑われた。


「子供達がお昼寝している間にネットショッピングしましょうか」


 家のパソコンの前に皆で集合してネットショッピング開始。


「バウンティとゴーゼルさんの体格ならカ○ダグースかなぁ? あ、でも重かったかも」

「ノース○ェイスも結構大きいのあったよ。重さは大きさの問題じゃ無いかな?」


 画像を見せながら好きなデザインを選んでもらう。


「カリメアさんはタト○スとかフェ○ノが似合いそう!」

「うんうん、カリメアちゃんなら着こなしそうよね!」

『どんなものなの?』


 色々見せたがフェ○ノのロングコートが気に入ったらしい。バウンティとゴーゼルさんもそれぞれ選んでいた。


「届いたらメール入れるわね」

「よろー。あ、エアロバイクとかはいつ届くって?」

「一週間程度って書いてあったからダウンと同じくらいになるかもね。それより奏多、リビング狭いから運んでよ」


 昨日買った大型家電がリビングにギュウギュウに詰められていた。

 今日買った物も仕訳し、運ぶものを纏めたり、イーナさんへの指示書を書いてもらったりした。

 荷物が多すぎて十回も飛んでは運びーのを繰り返した。


「どぅへぇぇ。疲れたぁぁ」

『あら、お帰り。先に食べてるわよ』

「うぁ、酷い!」


 ローレンツの家に飛んだらリズさんがぶどうやマスカットを使ったタルトを届けてくれていた。それを家に持って帰ったもののけ荷物運びはまだまだあったので一人奮闘していたのに。

 

「奏多、ちゃんと用意してるから手を洗っておいで」

「はーい」


 素直に洗面台で手を洗いリビングに戻る。紫と黄緑の艶やかな光を放つ美しいタルト。かけてあるソースはカシスだった。そして、中はカスタードかと思いきやクリームチーズで酸味が程よく何切れでも食べられそうだった。


「んまー。あー、ひあわせー」

『んまんま』


 子供達も好きな味だったようだ。




 暫くのんびりして、夜ご飯をどうするかになった。色々と行ったが行ってない系統を考えてふと気付く。


「居酒屋って行ってないね?」

「お、いいね!」

「あ、僕は焼鳥があるお店がいいな」


 今井家はノリノリ。ローレンツメンバーはキョトン。


『イザカヤってなんだ?』

「あ、えー? お酒とおつまみと言うか、一品料理がメインのお店かな」

『あら、バルみたいな所?』

「うーん。より、私が作る家庭料理に近いメニューですけどね」


 たこわさが食べたいな。


『あら、余計に行ってみたくなったわ』

「龍多さんも飲むでしょ? 歩いて行ける所がいいわよねー」


 と言う事で近所の居酒屋に行く事になった。




「取り敢えずビールとジュースでカンパーイ」


 うぇーい、と言いながらグラスを合わせる。カチャンカチャン言わせて飲む。ジュースを。バウンティに飲むのを止められた。

 誕生日の事を思い出すと飲む気も失せるのでジュースでいいが、バウンティ的には自分と二人きりの時に飲んでほしいそうな。


『クゥーッ。このビールは何じゃ……炭酸が喉を駆け抜けるし、鼻から抜ける香りの芳醇さ……美味い!』

「普通のビールだけど」

「あー、プレミアムだからじゃないかい? あ、店員さん!」


 とーさんはルンルンと焼鳥十本セットを二皿頼んでいた。私はお刺身五種の盛り合わせとホッケの塩焼き。他にも山芋の鉄板焼やニラ玉、だし巻き玉子、唐揚げやクリームコロッケなども頼んだ。もちろんたこわさも忘れずに。


「あんた、飲まずにたこわさって……相変わらずね」

『タコワサって何なのかしら? 写真じゃ解らないわ』


 説明すると美味しいのかと不信がられた。一番にたこわさが来たのでチビチビ摘まんでいるとゴーゼルさんが食べたがったのでお皿を差し出すと、とーさんが止めていた。


「ゴーゼルさん待って下さい! たこわさ食べるなら日本酒を頼みます! 奏多は味覚がおかしいから!」

「え? 酷くない?」

「あはは。奏多の好きなのって、飲んべえが好きなヤツが多いよね!」


 まさかの両親からのディスり。そういえば、向こうでおかずを作る度にお酒が飲みたいって言われてたっけ。


「たこわさでご飯イケるんだけどなぁ……」

「「奏多だけ」」

「ステレオ…………」


 ――――せめてモノラルツッコミがいい。


 暫くするとホッケの塩焼きや焼鳥なども届き始めた。

 ホッケをほじくりつつ骨を取り、子供達にも分ける。


『ホクホクしてるー。おいしいねー。ヤキトリもおいしー』

『ん、ぼくこのおさかなスキ』

「でっしょでっしょ、ホッケは脂が美味しいんだよぉ」


 私達三人がニコニコと焼き魚を食べているので、皆がササッと箸を出してホジホジした身を取っていってしまった。


「むー。せっかくほじったのに。次はアジの一夜干しね! あと、ウーロン茶!」

「あははは。はいはい」


 とーさんが笑いながら注文を担当してくれた。 


『……塩焼きか? 何か旨味が全然違うぞ?』

「うん。焼き魚で私が一番スキなのはホッケかな。いや、ブリカマも捨てがたい…………」

「ブリカマあるみたいだよ? 入り口に書いてあった」

「マジ!? 二つ!」


 暫くして、ブリカマ、アジの一夜干し、ホッケの残りが揃った。


『くぅぅ、ブリカマの甘さはた堪らんな。ニホンシュが進む!』

『アジの噛み締めると出てくる旨味も堪らないわね』

『全部美味しいな。家のと全然違う』

『ぼく、ホッケいちばん!』

『アステルはブリカマー』


 やっと、やっと焼き魚に賛同してもらえた。何年も奇異の目で見られつつ魚を焼いた事か!

 あと、家じゃこの味はなかなか出せないんだよ! 私の腕じゃないはず。


「くっ……今日のウーロン茶はなんだか沁みるぜ」

「いや、酒みたいに言うな」


 かぁさんからのツッコミはスルー。




 ワイワイ盛り上がって、居酒屋での夕食はお開き。

 帰り道にあったスーパーでゴーゼルさんとカリメアさんがとーさんオススメの日本酒や焼酎を一升瓶で買いまくっていた。

 バウンティはジュドさんに買ってあげるようだ。私はカクテルや製菓に使えそうなリキュールを少し選んだ。




 お酒を一滴も飲まない飲み会も好きです。

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