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142、宅配です。

 



「ぷへぇー。疲れた。お腹いっぱい」

『『いっぱーい』』


 お鍋屋さんから帰って来て、子供達とリビングのソファに倒れ混む。


「ちょ、奏多! 荷物運ぶの手伝いな!」

「へーい」


 サボりは駄目らしい。

 バウンティとゴーゼルさんが車から荷物を下ろして玄関に置くので、それをリビングに運ぶ。子供達も手伝ってくれた。

 運び終わったら、皆で座って荷物の仕分け作業。

 

 ・シュトラウト邸に運ぶもの。

 ・シュトラウト邸でハンガーに掛けておいて欲しいもの。

 ・我が家のもの。

 ・子供達のもの。

 ・主寝室に運ぶもの。

 ・王家に渡すもの。


「あー! 百円ショップでラッピング材買えばよかった」

「明日、どこかのタイミングで行こうか」

「お願いしゃっす!」

『自分でするの? ラッピング屋に頼みなさいよ』


 あっちの世界にはラッピング屋さんがある。プレゼントしたい物を持ち込むと包んでくれるのだ。因みにカリメアさんは家に呼び付けてるけども。私は自分でしたい派なのでお世話になった事は無い。


「さーせん。ラッピング屋さんとか無いです」

『なっ……無いの!?』


 カリメアさんが本気でびっくりしていた。そんなに衝撃的な事だったんだろうか。

 カリメアさんは帰ってからラッピング屋さんに頼む事にしたらしい。


「邪魔だしちょっくら運んで来ますね。シュトラウト邸はどこに行きます?」

『イーナの執務室があるからそこに行って頂戴。今の時間ならまだいると思うわ。あと、着替え持って行って! 手紙も書くわね。ちょっと、自分の運んでなさい』

「へーい。じゃ、バウンティと子供達はお風呂に行きたまえ!」

『『へーい』』


 取り敢えず、私達の荷物はローレンツの家のリビングに運んだ。


『じゃあ、これよろしくね』

「はい。いってきます!」


 何度か入った事のあるイーナさんの執務室を思い出しつつ目を瞑った。







******

******







 ――――ドタッ。


「いたたたた」

「カナタ様!?」

「あ、イーナさん。こんばんはー」


 尻餅つきながらイーナさんに挨拶すると、驚きながらも「こ、こんばんは」と返事してもらえた。

 イーナさんに荷物を渡して軽く説明しつつ、カリメアさんからの手紙を渡す。


「少々お待ち下さいね…………なるほど……」


 イーナさんは執務机で何か記入していたらしく、眼鏡を掛けていたが、その眼鏡を外しながら荷物を漁っている。何してるんだろうなぁと思ったら、荷物から百円ショップの袋を取り出した。


「あー、老眼鏡?」

「ええ! 度数を試す用に買ってきたから確認してと書いてありました。申し訳ございませんが、大旦那様と大奥様にも確認して参りますので、少々お待ち頂けますか?」

「起きてるんですか? 私も会いに行っていいですか?」

「申し訳ありません、既に寝室には入られてるので、今回はこちらでお待ち頂けますか?」

「あ、了解です。寝てたら起こせ的な?」

「……えぇ」


 イーナさんが苦笑いしながら、革張りのトレーに眼鏡を五種類ほど並べて、執務室を出ていった。

 五分ほど待っていたらシエナちゃんが現れた。


「カナタ様!? あー、もぅ。イーナさんってば……」

「やっほー。どうしたの?」

「イーナさんから執務室にある荷物を片付けてって言われて来たんです。カナタ様が来てるって聞いてないです!」

「おぉん。ごめん?」


 ただ、荷物は本当なので教えておいた。


「うわわわ……凄い。素敵なワンピースですね!」

「おわっ、そんなん買ってたんだぁ」

「これもカナタ様の世界の物ですか?」

「うん。今日、一緒にお買い物行ってたの」


 ――――コンコンコン。


「どうぞ」

「失礼いたします。お荷物があるとの事ですが……」

「ええ、サーラさんはこれをカリメア様用のクローゼットに掛けて来て」

「畏まりました」


 メイドさんが五人ほど現れた。シエナちゃんが次々に指示を出して行く。


「コレは、ゴーゼル様ですね」

「あー、ワイシャツだね。柄物ばっかり買ったんだ……」

「ワイシャツですか。……リンダさんはこれを全てアイロン掛けしてハンガーに吊るしてゴーゼル様のクローゼットに」

「畏まりました」


 背広も三着出てきた。サイズ有ったんだな。日本人の体型とは全然違うけど、輸入品を扱うショップが多いからどこかで見付けたんだろう。

 背広専用の袋に入れてコンパクトにされていたので、出し方と保管の仕方を教えると、皆が目から鱗を落としていた。


「これはね、運ぶ時はたたんで、保管する時はまっすぐ吊り下げれるようになってるんだよ」

「凄く考えられてますね……通気性も良さそうです。コレは値札ですか?」

「うん。この半透明なビニール紐を切っていいよ。あ、ベンツとポケットはしつけ糸で閉じられてるからほどいておいた方がいいかも。ゴーゼルさん『ふおう、ポケットが無いぞ』とか良いそう」

「……言いそうですね。キャロルさんはそれもやって、袋のままゴーゼル様のクローゼットに掛けておいて下さい」

「あ、内ポケと、ズボンのケツポケに共布と予備ボタンが入ってたりするから出してここの所に入れとくと良いと思います」


 背広専用の袋にはビニールでポケットが付いていたのでそこを指差した。


「畏まりました!」


 シエナちゃんが荷物を仕分けするのを見ていたらイーナさんが戻って来た。


「大変お待たせいたしました。こちらをカリメア様にお渡し頂けますか?」

「はーい」


 メモ書きを渡された。眼鏡の度数をそれぞれの名前で書いてあった。コレに合わせて眼鏡屋さんで似合いそうなデザインを買うのだろう。

 シエナちゃんが必死に仕分けして空っぽになった特大キャリーを受け取って、また日本に飛んだ。







******

******







 ――――バウン、バウン。


 リビングのソファに着地。誰も座って無くて良かった。


「ただいまー。カリメアさん、イーナさんからの手紙です」

『ありがと、助かるわ』

「バウンティは?」

『今、寝かし付けに行ってるわ。ゴーゼルはお風呂よ』


 暫くするとバウンティが二階から下りて来たので子供達が眠ったのだろう。ゴーゼルさんがお風呂から上がって来たので私もお風呂に入った。

 とーさんとかぁさんもお風呂を済ませたので、明日の予定を話しつつ、風呂上がりのアイスを堪能した。

 夏はコレを止められない!




 暫く公開時間が不定期になります。

一日一話は必ず! ご迷惑おかけしますm(__)m

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