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109、約束を守ろう。

 



 ジョシュくんをイジリつつ、お土産渡しを続ける。


「次はね、女性陣にアクセサリー」


 じゃらっと広げて好きなのを取ってと言った。こちらの世界にはレジンの様な飾りを封入している物は無いので、皆喜んでくれた。


「ほんと、不思議だよね。レジンって」

「うん、綺麗だよね!」

「あ、コレは男の人でもイケるかなって買って来たけど」


 三センチほどの丸い枠の中に様々なサイズの歯車などが封入してあり、レジン液は青から透明のグラデーションになっている。それをキーホルダーにした物だ。


「家の鍵とかに付けたり?」

「俺、欲しい!」

「あれ? クリフの家って鍵あったっけ?」

「ちょ、師匠酷い! ありますよ! ……開けっぱなしですけどね! あと、カナタ……アクセサリー、ケイナにあげても良い?」

「いーよー! ちゃんと仲良くしてる?」

「うん!」


 ならば良し! とケイナちゃんへの貢ぎ物の許可を出した。

 ケイナちゃんは中々の美人さんに成長して、引く手数多だ。地域的に少し治安がよろしくないので、クリフくんが虫除けになってあげている。

 ケイナちゃんはクリフくんに恋愛感情は全く無いらしいが、クリフくんは好きらしい。……が、ちょっとケイナちゃんの気が強いのでケンカも多いらしい。


「むーん。クリフくんが大きくなったなぁ」


 こそっとクリフくんに抱き着いたが、バウンティにバレてひっぺがされた。


「お前がソレをするからクリフに謎の噂が立つんだろうが!」

「だってぇー」

「あははは! 父もケイナも気にしてませんよ?」


 クリフくんを見つける度に抱き着いたり、頬にキスしているので、クリフくんは私の愛人だとかの噂が止まない。


「クリフくんは私の息子なのー」

「はいはい」

「僕はカナタは姉ちゃんって気分だけど」

「クリフ、諦めなよ。カナタは私の母親の座も未だに諦めてないんだよ? 姉じゃ我慢しないって」


 テッサちゃんが呆れながら私の頭をペシペシ叩く。扱いが雑だ。




 わーわー騒いでいたら子供達の寝る時間になったので解散になった。玄関で皆を見送って家に入る。

 戸締まりの確認をしてもらってから、アダムさんとクラリッサさんも見送る。


「明日からよろしくお願いします」

「ええ、また明日ね」

「ほんじゃ、おやすみ!」

「「バイバーイ」」


 ドアと鍵を閉め、二階に上がる。


「さ、お風呂に入ろう!」

「おっふろー」


 子供達が走ってお風呂に向かって行った。子供達について行っていたら、バウンティに引き止められた。


「何?」

「お前は…………準備してろ」

「何の?」

「約束!」


 ――――ちっ。誤魔化せないか。


 一応、元気なふりは出来ていたし、約束は守ってあげないと駄目だろう。渋々主寝室に行き、一人でシャワーを浴びた。

 髪を乾かした後、こっそり買っておいた下着が入っている袋を覗き込む。


「うむ…………やっぱ無しかな? でもなぁ」

「独り言か?」

「うひょぅ! ……いつからいたの?」

「素っ裸でその袋覗いてる時から。何が入ってるんだ?」

「…………バウンティ」

「何だ?」

「……ベッドで……電気消して待ってて?」

「ん!」


 毎度毎度、『ん』が煩い。バウンティを脱衣所から追い出し、諦めて新しい下着を着る事にした。

 ほぼシースルーの白いレースで作られたノースリーブのミニワンピ風のナイトガウンと、布面積に不安を持つほどのショーツ。洋服屋さんに行った時にこそっとカゴに忍ばせて買ったけど……ほぼテンションだけで買っていた。本当に着るとか、あんまり考えては無かった。


「うへぇ……あー。コレは……バウンティの誕生日のヤツ思い出すなぁ。馬鹿だなぁ……」


 バウンティと出会って初めての誕生日の時に謎のプレゼントをした。あれ以来の暴走な気がする。

 そっとドアを開けると、部屋の電気は消えて、サイドボードのランプだけになっていた。本当に素直にベッドに寝そべって待っている。


「ハァ……やるっきゃないよね…………約束したもんなぁ」


 そっと、脱衣所を出てバウンティの待つベッドに向かった。







****** side:B







 薄暗闇の中、カナタがそっと近付いて来る。




 今日、元気だったらシていいとカナタが約束した。

 ぶっちゃけ、実はまだしんどい。でも、我慢出来る程度だ。カナタにバレないようにやりきった!

 子供達を風呂に入れ、本を読み、寝かせた。主寝室に戻ったらまだ風呂から上がって無かったので、脱衣所に入ると素っ裸のカナタが「うむ…………やっぱ無しかな? でもなぁ」と言いながら黒い袋の中を覗いていた。

 声をかけると妙に慌てていたのでまた逃げる算段でもつけていたのかと思った。


「……ベッドで……電気消して待ってて?」


 まさかの、宣言。約束は守ってくれるらしい。

 コレは期待して良いんだよな?

 本気で期待してて良いんだよな?

 だって、カナタは暗い方が好きらしいし?

 明るいのは嫌らしいし?

 何か、ちょっと、頬が赤いし?


「ん!」


 返事をしたら、ビクッとして「煩いし」と言われた。

 



 電気を消してベッドで暫く待っていたら、カナタがそっと近付いて来たが、見た事の無い白いスケスケの下着を着ている。

 一言で言うなら……エロい。

 何となく口を尖らせているので、恥ずかしいのだろう。何かをプチプチ言いながら俺に跨がって来た。

 お馬鹿なカナタ。

 可愛いカナタ。

 今日まで我慢した分、たっぷり鳴かせよう。




 鼻先のニンジンに全力投球のバウンティ。


次話も明日0時に公開です。

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