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目は口ほどに物を言う……かも

大変お待たせしましたーm(_ _)m


1週間ぶりくらい?ですかね

その間に2万PV突破もしつつでした。

皆様ありがとうございます(^^)

これからも宜しくお願いします。

 

「「私達にお任せ下さいね!」」


 なんで、ここにいるのこの人達。


 むっふーと鼻息荒く現れたのは、お城で僕の服を仕立ててくれた時に着付けとかで来てくれたお針子さん達。


 いや、テリアさんが連れてくるかサンプル持ってくるって話だったはずだけど、お城から連れてくるとか聞いてないよ?


「私達の実家が」

「その服飾店なのですよ」

「ユウト様は、今朝に急に外に出られましたし」

「私達は悲しかったです」

「ですから、上に物申しまして」

「新たな服を仕立てるはずです」

「それなら私達の実家の可能性があるんじゃないか」

「むしろそうあるべきです」

「であれば、私達の手であっても良いんじゃないか」

「なので、おやすみを申請しましたです」

「他のみんなの血涙をせせら笑って来ました」

「実家という伝手の前に同僚という繋がりは無力です」

「後で自慢しますね」

「存分に悔しがるといいです」


 二人で演劇みたいにくるくる回って手を繋ぎながらビシッと決めた。

 でも、その心は……くろい……


 ペリオンさんはなんでパチパチ拍手してるんだろうね?

 言ってる事は、優越感気持ちいい!

 って事なんだけどね?


「あ、ユウト君? 違うんですよ? 私はその、観劇が趣味なので、堂に入った語りでしたので、それでええ、言ってる事に拍手したわけではありませんからね?」

「うん……大丈夫だよ」


 なんかわたわたと弁明してるけど、まぁそれはいいや。

 たまには息抜きも必要です。


「テリアさん?」

「私もびっくりですよー! あはは、まぁ、勝手の分かってる子の方が話早いじゃないですか、だから、いーかなーって」


 僕の息抜きはどこに行っちゃったのかなぁ。

 着せ替え人形はしばらくはいいって言ったのに……

 これ絶対に僕もやるんだ。

 僕の服の話はどこにもないのに!


「二人も、テリアさんも、怪しい……」

「いえいえ、たまたまですよ?」

「そーだねぇ、昨日、お針子さん達に挨拶したって聞いてなかったら僕も、偶然って凄いね! って言ってたんだけど……作為的なたまたまじゃないんだ?」

「「「………………」」」


 サッと、目を逸らしたね?


「僕、別に怒ってないよ? でも、お城に迷惑かけないようにってここに来たのに、これはいーの?」


 そこが心配なだけです。

 色々あって急に出てきたけど、それもこれも、僕の立ち位置が微妙で、置いておけないからだよね。


 お城の中だと、王族だとアグレシオ殿下にマナリス殿下が方向性は違うけど、気を許せない感じで、王族相手だと、止められる人が少ない。

 それに僕との接触はなかったけど、貴族の方もなんかあるっぽいって聞いてて、だから、僕がいない方が都合がいいんだよね。

 貴族ばっかりの場所じゃ、避けてばっかりも出来ないから。


 そうやって、その為にここに引っ越してきたのに。


「ユウト様」

「メノさん……」

「今回は、仕方ないところがあるのです。わたくし達の事を知っている人を広げない事で、他の方に目をつけられる事を遅らせたいのです」

「じゃあ、そう言えばいいじゃんか。なんで、僕の事を僕に隠すの? 僕の為だって考えてくれてるのは分かってるよ。でも、それで、僕が知らないところでみんなに何か我慢させてるのは良くないと思う」


 僕が、それを言うのは違うかな。

 みんなが僕の為にって、頑張ってくれてるのは、分かる。

 僕は子供で、みんなは大人で、子供は大人に迷惑かけてもいいかもしれないし、かけちゃうんだけど、ここで僕が“お客さん”なのは、ダメなんだと思う。

 だから、これは僕の事を認めてくれてるみんなに、僕の事を認めて下さいって言ういい機会だよね。


 僕は子供だけど、勇者だから。

 勇者が、みんなに守られてばっかりなんて、そんなの勇者じゃないんだから。


「メノさん」

「……はい」

「僕が、気づいてないと思った? 髪がちょっと汚れてる。ここに来る馬車に乗ってた時は汚れてなかった。じゃあ、荷物取りに行った時だけだよね」

「それは……」

「テリアさん、笑顔がいつものと違うよ? 僕に隠せると思った? 僕はそんなにみんなの事好きじゃないとでも思ってたの?」

「ち、ちが……っ」

「リリさん、なんで後ろにいるの? 僕に見せられない事があるって事? こっちに来て?」

「……ごめん、なさい」


 リリさんのスカートのところが汚れてる。

 何があったかなんて、僕に分からない訳が無い。


 じゃあ、なんで、こんなことになってるのか?


 僕に決まってるじゃないか。

 ここに来る時にみんなは、何があっても僕の味方でいてくれるって言ってたんだ。

 僕に敵がいなければ、味方だなんて言わなくてもいい。


 つまり、僕が勇者で、それになんかしたい人がいて、みんなが言ってくれた様に守ってくれてるって事だよね。


「僕も、みんなの事、守りたいなぁ」


 守られてるばっかりじゃ、勇者失格だよね。

 今は力がないからだけど、それでも、全部、守られてるのは、情けないなぁ。


「ユウト殿も、男だってことですよ、みなさん」

「アデーロさん?」

「まぁ、みなさんの懸念も分かりますが、ここまで言わせてだんまりは通りませんよ。男はいつだって騎士になれますし、女は誰だってお姫様になってしまうって事が、コレで分かったのではないですか?」


 おどける様に肩を竦めてニヤリと笑ったアデーロさんは、やっぱりイケメンだなぁ。


「アデーロ、さんに言われるのは甚だ心外ですが、分かりました。ユウト様には、わたくし達の事をもっと知って頂かないといけませんね」

「うん、お願い、します」

「ですが、まずは仕立てを先に済ませましょう。サーディ、ナーディも宜しいですか?」

「「宜しいですよー」」


 そこからはもうなんて言うか、女の子だなぁと。


 向こうだと、出来上がった服を買いに行く感じが普通だから、こうくるっと丸められた生地の棒とか、初めて見た。

 それからサンプルだっていう、四角の切れ端をまとめてノートにしたみたいなのとか。


 まぁ、どれも黒だから、見栄えは地味だけど。

 だったんだけど。

 仕立てを先にするって話はどこに行ったんだろう?


「やはり、マルセスシルクは良いですね……高いですけど」

「もう少し品が出回れば良いんですけど、それを見切って絞ってそうなんですよねぇ。マルセスの柱ですしね、分かるんですけど、最近露骨に足元見てきてる気がします」

「染めの技術はテチャだよねー。やっぱり山岳地帯だから水が違うのかな?」

「そうみたいです。テチャは水源抱えてますから」

「最近の流行りだと、ナジン織りがまた来てますよー。何でも代替わりしてから後継の方が新しい紋を作られたみたいで、ご婦人方に人気が出てきてます」

「へぇー、そうなんだ! ナジンとか、刺繍は綺麗だけどって感じじゃなかったっけ」

「今のナジンが……これです」

「うわ、すっごい!」

「でしょう? でも、お値段が、ごにょごにょ……」

「ウソでしょ!? いくら何でも買えないよー!」

「これは……?」

「あー、リュリュさん目敏いですね。それは今年ウチでお抱えにした新人の方ので……」


 黒い服を作ろうって話はどこに行っちゃったんだろうね?


「……アデーロさん、向こうで休憩しよ」

「おや、女性の買い物に付き合うのは男の甲斐性ですよ?」

「僕はあれだよ、後で良きにはからえーって言う役目だけで大丈夫だよ。そもそもみんなの衣装の話で僕は今回は関係ないし」

「では、お供しますよ」

「誘っておいてあれだけど、アデーロさんこそいーの?」

「大丈夫ですよ。付き合うのは二人きりの時で充分ですから」

「さすが、イケメンだー」

「いけめん?」

かっこいい男の人(ユウトは可愛い系)って事だよ(だもんねぇ)

「それは光栄な評価ですね」

「……女の子じゃなくてごめんね?」

「同性の評価も有難いものですよ」


 女の子が集まると姦しいって、凄い分かりやすい様な分かりたくない様な字面だよね。

 男が集まった文字とかあったっけ?


 えーっと、虫はあるよね。風のやつに出てくる虫が蟲だったもん。

 後は、轟。

 車はうるさいって事でいいのかな。

 それとも、名を轟かせるとかいう言い回しもあるから、響かせるとか伝えるとか?

 後は何かあったっけ?

 ……えーと……あ、森があるじゃん!

 木、林、森って、よく考えると凄いね!

 4つ集まったらジャングルとか読まないかな。


「どうかされましたか? 急に考え込んで」

「いや、僕のとこだとね、これが“女 (おんな)”なんだけど、こう書くと“姦しい (かしましい)”って読むんだよね。だから、男のは無かったっけーって思って」

「ははぁ、それはまたユウト殿の“(フタワ)”と違った意味で見たままですね、本当に面白い」


 キッチンに避難して、二人でお茶っ葉を探しながら、そんな事を言ってると、アデーロさんが見つけてくれた。


「味に期待はしないで下さいよ?」

「僕は何も分からないし」

「なら恨みっこなしで」

「でも、みんなが淹れてくれるからどんな味かは分かるよ」

「恨みっこなしで」

「アデーロさんは何でもそれなりに器用に出来る人だって、僕は信じてるから」

「勇者になろうってお人には優しさも必要だと僕は思うんですよね」

「僕が女の子だったら任せてくださいって言いそうなのに」

「ここは見栄を張る場面じゃないので」

「………………」


 どうしようかとアデーロさんとお茶っ葉を挟んで悩んでたら間からぬっと腕が伸びてきてお茶っ葉を攫っていった。


「あ、オッソさん」

「オッソ、お茶淹れられるか?」

「………………」


 無言で頷いたオッソさんがポットでお湯を沸かしながら僕をじっと見てから頭を撫でてきた。


「え、何?」

「………………」


 しゃべれるのは知ってるんだけど、無言なのはポリシー?

 何となーく、言いたい事は分かるんだけど、間違ってたらあれだし、問題無ければそれでいい様な、もっとおしゃべりしてみたい様な。

 というか、僕、オッソさんの声って最初の自己紹介の時以外で聞いた覚えがない?


 よーし!


「オッソさん、みんなを馬車で送ったりしてくれてありがとう」

………………(問題ない)

「馬は忙しくて疲れてなかった?」

………………(元気なものだ)

「そっかー、みんな元気で良かった」

………………(今度乗るか?)

「え? 乗馬も出来るの? うーん……そうだよね、僕も乗れないとダメかな」

………………(やってみるといい)

「じゃあ、その時はよろしくね」


「待て。ユウト殿、普通に会話になってますよ」


 あれ?

 いや、でも、僕が一方的に話してた気がするんだけど。


「僕しかしゃべってなかったよね?」

「それは、そうなのですが、受け答えしていたと」

「そういえばそうだね?」

「「「………………」」」


 じーっとオッソさんを見てると、お茶にしようと目で訴えてきたから、ひとまずお茶にしてと。


「なんか、ね? 目で話してるみたいな気がする」

「目で話す……ちょっと意味が分からないですね」

「目は口ほどに物を言う、って言葉があってね。それだよ」

「よし、オッソ、何か言ってみてくれないか?」

「………………」

「僕はいつでもいいから、さぁ目で話して」

「………………」

「………………」

「………………」

「……ユウト殿? やはり、何か無理な気がします」


 僕もそう思う。


 というか、なんか、前にもあったような、こんな、感じ。

 なんか別の声が聞こえるみたいな。

 いつだっけ?(まだ早いわ?)


 まぁいいや。


「僕も何となくだし」

「そもそも、オッソが口を開けば解決ですけどね」

「………………」


 うぅん、今度はニュアンスでしかわかんないなぁ。

 なんだろね。

 これも魔法みたいなものだったりするのかな。


 さて、お茶の用意はオッソさんのおかげで出来たけど、このままあっちに戻ると意味ないし、かといってここで立ったままっていうのも何か落ち着かないし、どうしようか。


「あ、アデーロさん、リビングに繋いでくれる?」

「そうですね、あちらなら、色々と角も立たないでしょうし、移動しましょうか」


 名案ですねー、とアデーロさんがスイッチ押して扉を開ければ、みんなのいた楕円の部屋じゃなくてリビングになってた。

 僕も早く自由に行き来したい。


 そんな事を思いながらまったりお茶してたらアッサリとみんなに見つかった。

 いや、隠れてたわけじゃないんだけど、僕は関係ないから、むしろアデーロさんとオッソさんを連れて行ってくれればいいと思うんだ。

 なんで、その二人を外に追い出したのかな。


 みんなの衣装なんだから、好きなの選んでくれればいいんだけど、はい、僕がご主人様だからね、そうだね、僕の意見を尊重してくれるのは有難いというか、嬉しいというか、そうなんだけど、着てみた感じとか、そこまでしなくても、はい、イメージと違ったら困るもんね、多分困らないけど、うん、困るよね、ところで着替えるなら僕も外に出たいんだけど、時間の無駄かな、そーかなー、後ろは向いておくからね、だから待ってって、みんなはもう少し恥じらいとか、考えた方がいいと思う、うん、なんでサーディさんも着替えてるのかな、後、僕にチェックさせてる横で次のに着替えるのは、僕が後ろ向いてた意味がないよね、時間が勿体ないかな、そんな時間なかったならさっき他の見てたのは、それはそれだよね、うん、デザートは別腹みたいな、みんながそれでいいならいいよ、僕の衣装じゃないしね。


 結果


 メイド服は、スカートがひらひらしてなくて、襟元がちゃんと隠れてて、エプロンだけは白でフリルとかあんまりないやつ、キャップは僕の髪結いの邪魔になるから無し。


 お仕事するんだから、ひらひらしてたり胸元開いてる必要ないよね。

 フリルとかも、どこかに引っ掛けたら危ないし。


 足元はヒールのないくるぶしの上くらいまでのブーツね。


 騎士服は、どっちもズボンで下のシャツは白で、ジャケットはなんかの皮を素材にしたちょっと固いやつ。広げて置いておいてもそのまま立つんだって。凄い。


 男用は、ジャケットが腰の下までで、女用は、腰の上まで、その代わりにシャツの上にコルセットみたいなのをつけるみたい。

 足元はこっちもブーツだけど、メイド服のと違って結構ごつい感じのやつ。


 頭は視界を遮らない様にバイザーみたいなやつをつけるんだって。


 この騎士服の白いやつが僕用になるんだって。

 白い服とか、なんか恥ずかしいんだけど、勇者のイメージ戦略的な感じで目立つ様にするのは決定してるみたいだから、ダメだった。

 いつも着るわけじゃないのが救いだね。


 それに、マントとか、コートとか、手袋とか、小物も色々と併せて、服は2セット、全部で金貨で850枚だって。

 金貨の価値が分からないけど、ミスリル貨8枚と、金貨50枚で支払いは終わったみたい。

 ミスリル貨が金貨100枚分なのだけは、分かった。


 金貨、いくら位なんだろう。

 1万円くらいかな。

 それでも、服とかだけで850万円なんだけど!


 うん、そーゆー考え方は良くない。

 これはあれだ、必要経費とかいう、仕事用のお金だから。

 生活費とかとは違うんだよね。

 宝石とかも、向こうみたいな価値はないって話だし、金貨だって実はそんなことないかもだしね。


お金の話がついに……!


ところで、ストーリー加速していけたらいーなぁくらいの事言ってましたが、外に出てまだ一日も経過してない事に気づいてしまいました!


遅 く な っ て る じ ゃ な い か !!


ち、ちゃうんですよ……

いや、こんな予定じゃなかったとゆーか……

もー少ししたら、早くなってくれる……はず!

(更新も遅かったよねー)


頑張り、ます!(目を逸らしつつ)

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