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開花

お待たせしましたm(_ _)m


取り急ぎで一話投げまーす

いつもの時間じゃなくてごめんなさいー


細部の修正は今夜かけます(まてこら)

ちょっとバタバタしててせっかくおやすみ入れてたのに時間取れなかったよ……orz

 

 ひとしきりテリアさんをみんなで弄って、荷造りを終わらせたのはそれから少ししての事。

 元々テリアさん一人でやろうとしてた事でもあるし、三人がかりになれば早いものだった。


 まぁ、荷物と言っても、僕の服が10着ちょっと、それに僕をお世話するのに必要だとされて与えられた雑貨がひとまとめにされたくらい。

 引越し先にも用意はされてるみたいで、それも多くはないから、ほとんど僕の服みたいなものだ。


「では、ユウト様、明日からどうされていくのかをご説明させて頂きますが、よろしいでしょうか?」

「うん、お願い」


 メノさんと差し向かいで明日からの事の説明を受ける。

 当初の予定だと、もう少し僕の成長というか、僕が慣れてからお披露目をして、勇者として認知させる事になってたはずなんだけど、アグレシオ様とか、マナリス様とか、他にも何か立て込んでて、僕を先に城外に出した方が良いと判断されたので、お披露目は予定よりも更に延期、するんだって。

 何ヶ月か先の事なのに、更にって、大人は予定の立て方が未来志向だと思う。

 そんな先の事なんてクリスマスとか、そういう行事な事しか分かんないよ。


 で、お引越し先は、貴族街の中じゃなくて、その外になるんだって。

 僕に不便をかけない範囲で良い所を用意してくれてるみたい。


「本当は、ユウト様は勇者ですから、もっとしっかりしたところになる予定でしたが、あまり城に近いと、殿下方のちょっかいがしやすくなってしまうので、申し訳ありません」

「それはいいんだけど……えっと、そこに行った方が、安全ってゆーのが分かんない」


 お城の方が、どう考えても良い様に思えるんだけど。

 騎士がいっぱいの方が良くない?

 それに、お城だったから、防げた事も、あるだろうし。

 貴族のちょっかいとか。


 そういうのは外の方が多い様に感じるんだけど。


「立地が良いのです。不甲斐ないところですが、わたくし達だけでは立ち行かず、どなたかの庇護に縋らざるを得ません。そして、特権階級の権力の及ばぬ方がより安心なので、とても良い場所を頂く形になりました」

「ピエレのとこ?」

「いえ、聖女様は教会にお住みですから。それに教会もそれほど気を許して良い訳でもありません」

「えぇ……?」


 ピエレは、良い子だと思うんだけど、大人はやっぱり違うって事なのかな。


 お城からそこそこ離れてて、貴族のちょっかいも、教会のちょっかいも程々で、権力も効かなくて、それでいて勇者の僕が不便に感じない場所?


 そんなのあるの?


「ギルド会館通りの一角になります。その名の通り、各種ギルドのお膝元になります。ギルドは、国と協力体制にありますが、そこには独自の規則が働いておりまして、国を跨いで組織を形成しておりますので、おいそれと手を出せません。教会とも深い繋がりがありますが、そちらとも悪くない距離感が保たれています」


 治安も良いですよ。


 と、メノさんに言われたけど、なるほど、でいいのかな。


「彼らにはそこにかけるプライドがありますので、国とも事があれば対立することもあります。教会と併せて、協力体制を基本的にとっておりますが、それでいて、独立性の高い場所となっております。もちろん、しがらみがないとは言えませんが、貴族や教会の方々の横槍が今は問題なので、そこを抑えるにはギルドが一番なのです」


 それで、変なちょっかいを出せば、すぐに問題になるギルド会館通りが、一番マシなんだとか。

 ギルドもギルドで、僕という存在は歓迎するところで、下手を打てば国に睨まれる。

 事あれば対立するって言っても別に仲が悪いわけでもないし、各種あるギルドはお互いに協調しあってるし、丁度良いんだって。


「でも、よくそんなところにお引越し出来たね」


 そんないい場所なら空いてたりしないと思うんだけど。


「元々ギルド保有の物件なのですよ。こういった前例がないわけではありませんから、ギルドで常にいくつか押さえてありまして、その内の一つを今回はお譲り頂いた形になります」


 それは凄い、と言えばいいのか、そういった事が予想されてないといけないというのは怖いと言えばいいのか。


 僕が助かってるんだから、それでいいのかな。


 言っても、僕には判断出来ないんだから、みんなを信じられるかどうかだよね。

 それなら大丈夫。


「それで、ユウト様には、まず何を置いてもご自身を鍛えて頂きます。幸い、教師役には事欠きませんので、ご存分に。しかし、まだ不慣れですから無理はされませんようお願いします」

「うん、そこはみんなの言うこと聞くから」

「本当にお願いしますね? 剣とか振り回したら危ないのですから、力がつくまではダメですからね? 魔法も攻撃性のものは危ないので使ったらいけません」

「えっと……うん、気をつけるよ」

「練習でも、刃のあるものは危ないですからね。昔に、片刃で居合斬り! などと鞘から抜き放って遊んでいた半人前が、抜いた刃で自身の指を居合斬りしたという話もあります。身の丈に合わぬ大剣を振り回した未熟者が己の足を斬ったという話もあります。なので、ユウト様には背伸びすることなく、無理なく成長して頂きたいと思います」

「……うん、分かったよ」

「危ない、と思いましたらすぐにわたくし達がお止めしますから、どうかお聞き入れくださいね」


 ずいっと顔を近づけて怖い顔をしたメノさんだけど、僕が首を縦に振るとにっこり笑ってくれた。

 そもそも剣とか握った事ないから、無茶出来ないし、しばらくは竹刀みたいなのを使わせて貰えたらいーなぁ。

 いきなり真剣とか渡されても困るし。


「それでですね、いくらかの支度金はあるのですが、それだけではいつか尽きてしまいます。なので、お金を稼ぐ必要がありますが、わたくし達はあくまでメイドの身なので、それ以外をしない様に申し付けられております」

「えっと、つまり、メノさん達がお仕事してお金を稼ぐのはダメって事?」

「はい、わたくし達がユウト様のお側にいる為にはそれが条件として挙げられております」

「…………それって、もしかして、護衛のみんなも同じ?」

「はい」


 という事は、じゃあ誰がお金を稼ぐんだって事だよね。

 護衛のみんなも、メイドのみんなも、みんなダメって事は、当然残ったのは僕だ。


「で、でも、僕が出来るの? うぅん、僕で出来るの?」

「支度金であれば、一年くらいであれば問題なく持つ程度は預かっております。切り詰めればもう一年くらいは行けますね。なので、その前に鍛えて頂き、冒険者としての活動を始めなくてはなりません。いくら訓練をしても実践には敵いませんので、お城におられたとしても早いか遅いかくらいの違いしかありません」

「僕、お仕事なんてした事ないよ……」

「出来るようにサポート致します。それにこれは王陛下としても可能な限り配慮した結果なのですよ」


 10歳の子供に一年で稼げるようになれっていうのが配慮?

 違う。


 勇者なら、それくらい出来てもらわないと困るって事だ。


 もっと大人の勇者が来てたら、きっともっと上手く出来るってそういう事だよね。

 僕が勇者として役に立つのか立たないのか、王様は待つって言ってくれたけど、いつまでもは待てないんだ。


 勇者を召喚しないといけないくらいには切羽詰まってるんだもん。

 早く成果を見せないと、他の人が黙ってない。

 だからこその一年。


 メノさんは節約すれば二年は持つって言ってくれたけど、持つのはお金だけなんだ。


 僕が勇者として待ってもらえる限界が一年なんだ。


 お金が残っててもダメ。


 一年経って、勇者としての実力が見せられないのもダメ。


「そんなの……僕に出来ないよ……だって僕、剣持ったこともないんだよ?」

「大丈夫です。今は何も実感出来ないでしょうけど、神々の恩恵というものがあります」

「神々の恩恵?」


 それは、神様から授けられる力だそう。


 例えば、剣を振る才能を恩恵として授けられる事もある。

 魔法が上手く使える恩恵もある。

 走るのが早くなる恩恵。

 集中力が研ぎ澄まされる恩恵。

 物を運ぶ為の恩恵。

 勇気が出る恩恵。

 服を作る為の恩恵。

 力持ちの恩恵。

 毒に強くなる恩恵。

 薬を作るのも恩恵。


 ありとあらゆる恩恵が世の中にはあって、それをどれだけ授かれるかは個人の資質だけど、僕は聖痕がいっぱいあるから、恩恵も多く授かれる。


 だから、僕には思いもよらない恩恵で強く強くなれる。


「ですから、頑張って下さいませ。頑張ったその分だけ、ユウト様の内に眠るお力はユウト様の助けになってくれます」


 それは僕が、頑張れば大人みたいになれるってことで。

 そうしたら、今みたいに守られるばかりの僕がみんなを守ってあげられるって事。


 まだ何も貰ってないけど、その恩恵が、10歳の子供でしかない僕を勇者にしてくれる。


 本人の努力が、恩恵となって、力になる。


 僕が元の世界で頑張ってても、誰にも何も認められなかった。


 子供のクセにって。


 でも、ここでは、ちゃんと神様が見てくれる。


 頑張ったら、頑張ったねって褒めて貰える。


 それなら、それなら僕が勇者だって、みんなに認められる様に頑張れば、それで何とかなる?


 いっぱいある聖痕がそれを後押しもしてくれる。


「僕に、出来るかな?」

「勿論です」

「僕が勇者になれるかな?」

「わたくし達にとってはユウト様はすでに勇者様です」

「まだ何にもしてないよ?」

「それでも、です」

「僕でいいの?」

「ユウト様だから、です」

「僕、子供だよ?」

「大人になるお手伝いをします」

「うん、お願いね。僕も頑張るから」

「……頑張らなくても、いえ、頑張って下さるのですか?」

「メノさん達が応援してくれるんだもん」

「勇者なんて、わたくし達の我儘でしかないのですよ?」

「僕に出来るって言ってくれたから」

「辛いことも苦しい事もありますよ?」

「楽しい事も嬉しい事もあるよ」


 じゃあ、頑張らないとね。

 みんなで、笑える様に。



 《恩寵の受け入れが恙無く完了致しました。

 初期設定をクリア

 新規設定を構築します。

 パッケージから、未使用プラグインを削除

 拡張領域を確保しました。

 多言語モジュールを再セットしました。

 神言を再セットしました。

 ────────(名もなき至高の神)の恩寵を賜わりました。

 ロロの恩寵を賜わりました。

 クシァンテの恩寵を賜わりました。

 ホロゥの恩寵を賜わりました。

 アフォスの恩寵を賜わりました。

 レメトの恩寵を賜わりました。

 デムテアの恩寵を賜わりました。

 以上。

 神の恩寵による恩恵(細かいのはめんどく)は省略します(さいから後で)

副音声が復活しましたw

いや、してしまいました?w


恩恵はスキルみたいなものと思って頂いておっけーです(^^)

アクティブなのもパッシブなのもよりどりみどりっ!


チート性能発揮まではもうしばらくってとこですが、よーやく異世界ファンタジーっぽさ(笑)が出せるんじゃない……かな

そーでもないかなー(笑)

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