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ユウトの現状確認回

です


ではよろしくお願いしますm(_ _)m

 

「……ん……あれ……?」


 なんで僕寝てたんだろう?

 と言うか、なんか頭重い……

 もぞもぞと動きながら、寝る前に何してたっけ? と、考えたらマナリス様に聞かされた事を思い出した。


「僕、お城から出ないといけないんだ……」


 マナリス様はもう時間があまりないと思うって仰ってたけど、僕がここに来てまだ四日で、時間が無いって何だろう。

 魔王がもうなんか凄い事になってて、早く行けって事なのかな。

 そんなの無理だけど、行けって言われたらどうしたらいいんだろう。

 行かないって言うのはきっとダメなんだろうけど、行ってもきっと何も出来ないし、僕だって死にたくない。


 逃げちゃおうか。


 そんな事思ったけど、そうしたら、みんなはどうなるんだろう。

 魔王が何かしてみんな殺されちゃうなら、それだけなら良くはないけど、まだいい、と思う。


 でも、僕が逃げ出した事で、みんなが責められるのは違うし、それなら、みんなと逃げる?


 みんなに家族を捨てて僕と逃げて欲しいって言うの?


 そんなのダメだよね。


 と言うか、マナリス様には近いうちにお城から出る事になるっぽいとは聞いたけど、悪い事じゃないかもしれないし、お城の中しか知らないのは、良くないし、いい事だってある……よね。


 そう、イシュカさんから聞いた純粋なエルフとか、見てみたいし、まだ他のファンタジーな人達も見てないし、そういった人達と会えるんだもん。


 悪い事ばっかり考えてても良くないよね。


「あ! ユウト様! 起きたんですね。ご気分はどうです? 気持ち悪いとかありません?」

「テリアさん? ……えっと、なんか頭重いかも」


 ベッドに転がったままの僕にテリアさんがいそいそと近寄ってきて、僕のおでこに手を当てて熱を測るみたいにして、心配そうな感じで僕の顔を覗き込んできた。


「はい、お水飲んで下さい」

「ありがと」


 差し出されたコップに口をつけながらチラッとテリアさんを見上げると、どうしたのって首を傾げてたけど……


「テリアさん……僕、ここに帰ってきた記憶ないんだけど、どうやって帰ってきたの?」


 そう聞けば、少し悩んだ感じを見せてたけど、ベッドに腰掛けて隣をポンポンするから、僕も起きてテリアさんと並んで座る。


「えっと……ですね。まず、驚かせてしまいますので先に言っておきますが、私達はユウト様と一緒ですから、そこは心配しないで大丈夫ですから、覚えておいて下さいね?」

「凄い不安になるんだけど、分かったよ」


 情けない声を出す僕に苦笑を返してから、僕の手を握って、テリアさんらしくない平坦な声で続きを聞かせてくれた。


「急なお話なんですけど、明日の早い時間にはお引越しする様に通達がありましたので、今、リュリュが新しいお家の方を整えててくれて、メノがその手配で動いてます。私はユウト様のお召し物とかをまとめたり、ここの後始末みたいなものです」

「……そっか……もうなんだ……」

「あれ、なんか、あんまり驚いてませんね」

「マナリス様から聞いてたから……明日とは思わなかったけど」

「そか、殿下から聞いてましたか」


 そうつぶやくテリアさんの声に何か苦々しい空気が混じってて、僕がテリアさんを見ると、にこってしてから僕をギュッと抱きしめてくれる。


「その、マナリス殿下と、お話された時の事は、覚えてらっしゃいますか?」

「え?」


 なんだろう。

 テリアさんの声が凄く、硬い。

 マナリス様に何かあったっけ。


「ピエレが呼んでるって嘘をついてまで僕を呼び出して、それで僕を守ってくれるって言ってくれたよ。時間が無くて強引な形になってごめんなさいって言ってたけど、マナリス様に何かあったの?」


 僕を抱きしめるテリアさんの力が強くなった。

 ちょっと苦しい。


「マナリス殿下は……どうやって守ってくださるかとか、具体的な事は聞いておられますか?」

「…………何も、聞いてない、と言うかそこら辺で僕寝ちゃったかも」

「そうですか。マナリス殿下は、ユウト様を騙しておいででした」

「それは、そうだけど、それは僕の為だって……」

「違います。そうじゃないんです」


 テリアさんが、静かに語ってくれた。

 マナリス様が、違法な魔道具を使わせて僕の、僕の周りの人達を排除して、僕を拉致監禁みたいな事をして、子供を作ろうとしていた。

 その為に僕に薬を盛って、寝かせたんだって。


「そんな……そんなの、ウソだよね?」

「事実確認には多少時間は掛かりますが、御本人がそう仰っておられます」

「そんな、だって、そんなの……」


 信じられない。

 だって、僕はそういうのに、結構敏感な自信がある。

 誰かを(おとし)めたり、(けな)したり、悪意や害意があれば、多分、おそらくにはなるけど、僕が気づかないって事はそうそうないと思ってた。

 声色が粘ついたり、視線がトゲだらけだったり、そういった拒絶感は隠してても伝わってくる。


 マナリス様にはそんなのなかった。


 少しねっとりしてたけど、僕に姉上って呼んで欲しいって、弟になってって、そこに執着してたからくらいに思ってた。

 それに好意に溢れてた。

 それは間違いない、と思う。

 悪意も害意もなかった。


「マナリス殿下は、それを悪い事だと思っておられないんですよ」

「どういうこと……?」

「マナリス殿下の事、謁見の前にメノから聞いておられますよね? ゆるふわって」

「うん、聞いてたけど」

「あの方にとっては、ご家族だけが自分の意志を否定しうる存在なんです。蝶よ花よと育てられたマナリス殿下は、人の嫌なところが御自身に向けられるなんて、一切考えておりません。常に褒められ、おだてられ、持ち上げられて来ましたし、何もかもを許されてしまったので、それが普通だと思っておられます」


 それじゃあ、マナリス様は───


「純粋に、好意だけで、そんな、こと、したの?」

「……そうです」


 なんだ、それ。

 小さな親切大きなお世話って、言葉とかがあるけど、そういうのとは根本的に違う。

 人種が違うとか、宗教が違うとか、そういった考え方の違いとは、全然違うし、でも、これは、洗脳、だ。


 宗教とかに救いを求めて、傾倒して、狂信者になるのとは違う。


 物心ついた時から、それ以前から、歪められた、人格の汚染。


「申し訳ありませんでした」

「なんで、テリアさんが、謝るの?」

「私達は、ユウト様をお護りすると言っておきながら、注意が疎かでしたから。まだ大丈夫だと、どこかで甘く考えていたんだって。もしも、手遅れだったかと思うと、震えが止まらないです」

「そんな事ないよ! 最初に僕を、僕に、寄り添ってくれたのはテリアさんなんだよ」


 だから、泣かないで。

 テリアさんのほっぺにちゅってしたら、テリアさんがポカンとした顔で僕を見た。


「ユウト、さま……」

「ほっぺにするのは、親愛だって、ゆーから。海外だと挨拶ってゆーし、僕の感謝してる気持ち、だよ?」


 恥ずかしい、けど、テリアさんの涙も引っ込んだみたいだし、言葉にしてもなんか違う様な気がしたし。


「えっと、それで、マナリス様のがあったから、お引越しってわけじゃないんだよね? さっきの話とか、マナリス様から聞いた話とかからすると」

「んもう……ユウト様はいけずですねっ! そーですよー。元々あった話が、アグレシオ殿下との諍いとかありましたからー、少し前倒しになっただけでーす」

「うん、分かった。それで、みんなも、その……僕のお引越しが終わっても、いて、くれるんだよね?」

「ユウト様がお嫌でなければですね」

「嫌だなんてないよ!」


 僕を護らせてって言ってくれるみんなに感謝こそすれ、嫌うなんて有り得ないよ。

 マナリス様だって、話を聞いても、ピンと来てないからかもだけど、嫌いになれないし。

 話せば分かってくれるかもしれないもんね。


 後、アイリスさん達には、後で謝らないと。

 変な魔道具のせいで、ケンカしたみたいになっちゃったけど、魔道具が悪いとしても、記憶がなくなったわけじゃないから、ちゃんと、仲直りしないと、聖痕の事もあるし怖いよね。


「アイリスさん達はその、明日も来てくれる? 僕の事、嫌いになったりしてないかな?」

「ふふ、大丈夫ですよー。ただ、ユウト様より長く影響を受けていましたので、大事を取って明日はお休みされるそうです」


 そっか、それなら、良かった。

 いや、まだ謝ってないし、良くはないけど。

 ホッとしたらおなかがなった。


 そういえば、マナリス様のとこでも結局ご飯はほとんど食べれてなかったっけ。


「おなかがすくのはいーことですよ。ハイ、お口開けてー」


 初めて会った時とおんなじだ。

 あーんと開いた口の中にとりゃーとクッキーを投げ込んだテリアさんと二人でちょっと笑った。


「もう一枚要りますか?」

「ちょーだい」


 もっくもっくと食べていると、テリアさんがポットを持ってどうですかー? と聞いてくるから、欲しいとアピールしたら、テリアさんがニヤリと笑った。


「テリアお姉様、にお願いしてくれたら淹れて上げましょう」

「んぐっ」


 諦めてなかったひとがここにも居たし。

 でも──


「テリアお姉様、随分と楽しそうですね?」

「テリアお姉様、当然荷造りは終わってる?」

「な、なんで二人が!?」

「お手伝い来た」

「わたくし達だけでは手が回らないだろうと、気を使って頂けたのですよ」

「そーなんだ、よかったねぇ、あははー」


 じりじりと後ろに下がりながら、逃げ道を探すテリアさんと、追い詰める二人。


「テリアお姉様、僕、お茶飲みたいな」

「テリアお姉様、ユウト様がお待ちですよ」

「テリアお姉様、早く」


「あーもう! ごめんなさいー!!」




次回はお引越ししてようやくファンタジーしますw

いや、魔法とか、一応あったし、ファンタジーだけど!


それで章分けするのに合わせて……

コラムにあったラノベの書き方? ルール? 的なものをすこし参考に読みやすくするために、ハテナとビックリの後のスペース空けとかをしようと思います。

これは、前から少し思ってた事なのでルール的なガイドラインみたいなものがあるなら、しておこうと。



全角半角はそのままです。

私がその方が見やすいからですね。

スマホ民なので。PCだと違うんでしょーかね??


後、句読点なんかも読み返しながら増やしたり減らしたり……

文章からニュアンス的なサムシングが伝わって欲しい人なので、そこらへんももう一度見てきます。

改稿、とまでは行きませんので読み返す必要はないですけど、そーゆーことで少しだけお時間頂きます。

よろしくお願いしまーす(^^)


何か気になるところとかありましたら、感想なりメッセージなりでコメ飛ばしてくださると私が喜びますw

でわでわっ!

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