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いい腐り方とは

ピエレが出てきたらブクマの増量がストップしました(爆)

ダメでしたかっ!?

幼馴染み的女の子枠(但しHENTAI)は需要がないのですかね……

おかしいですね……私の筆のノリは一番だったのですが……(文字数も今のところ最大)


あ、読んで下さってる皆様には感謝しかありませんよ!?

ありがとーございますm(_ _)m

 

「ユウト、またねっ」

「うん、またね、ピエレ」


 礼拝堂を出て、ピエレのお願いで手を繋いでたのを名残惜しそうに離してから、神官二人に連れられて帰っていった。


 助祭様と同じように何か感激したかのような神官さん達。

 やっぱり、神様に仕えてる人達には、僕の聖痕とかが感じられたりしてるのかな。


「随分と親しく、と言いますか懐かれましたね」

「うん、なんか最初からあんな感じでちょっと驚いたよ」

「良かったではありませんか、険悪になってしまうよりよほど良いかと思いますよ」

「お茶会に呼んでくれたのに険悪になったりするの?」

「そもそも虐める為に呼ばれる事もありますからね」

「なにそれこわい」


 遠い目になったイシュカさんにはきっと色々あったんだね。

 聞けないけど、イシュカさんって何歳なんだろう?

 アイリスさんはお祖母様とか言ってたから、50歳とか?


 見た目なら高校生くらいのお姉さんみたいなんだけどなぁ。

 エルフって凄いね。


「あれ?」

「どうかなさいましたか?」

「えっと、違ったらごめんね? 僕の知ってるエルフだと耳がこう長いんだけど、普通だなって思って」

「あぁ、それはハイエルフですね」

「ハイエルフ」

「えぇ、彼らは人よりではなく精霊よりなのですよ。精霊の耳が長いので、そちらの特徴を継いでいるのですね。私は混血ですが、純血のエルフでも耳は長くありませんよ」


 イシュカさんが言うには単なる生活環境の違いだけらしい。

 人も、例えば肌の色が違ったりするのと同じで、どちらもエルフである事は変わらないんだとか。

 ただ、ハイエルフは精霊よりで、人と触れ合う事も少なく、人に馴染みのないモノを持ってるからいつしか区別される様になったんだって。


「じゃあ、人とエルフの違いって何になるの?」

「そうですね、エルフが長命種である事も一つですが、それは見たらわかるものでもありませんからね」

「耳も同じだもんね」

「耳に拘りますね……違いは目になりますね」

「目?」


 そういって僕と目を合わせたイシュカさん。


「よく、見てて下さいね?」


 キレイな透き通るような翠色の瞳。

 パチパチと瞬きする度にその奥でチラチラと光みたいな何かが瞬いた。


「星みたい……」

「ありがとうございます」


 あれがエルフの目?

 さあ、お部屋に戻りましょうと言うイシュカさんと再び歩きながら、さっきのプラネタリウムみたいなものが、精霊眼だと教えてくれた。


「私は混血なので少しチラつくくらいですが、純血のエルフであれば宝石の様に煌めいて見えるのですよ」

「見てみたいなぁ」

「ふふ、外に出ればエルフに逢える機会も多々ある事でしょうから、早く慣れねばなりませんね」


 楽しみが出来るっていい事だよね。


 そう、楽しみが出来るのはとてもいい事、なんだけど、それはやっぱり人に迷惑かけない範囲の事だと思うんだ。


 部屋に戻った僕はそれを痛感した。



「さ、ユウト様! 次はこれ、これを着て下さいねっ」

「テリアさん、もういいよ、後は明日とかにしよ?」

「ダメですよー、ユウト様は勇者なんですから、身嗜みにも気を配って頂かないと、私達も怒られてしまうんですから」


 僕は着せ替え人形になっていた。


 テリアさんの指示の下、朝にも来てたお針子さん二人もあっちへこっちへ服を持ってリスみたいに走り回ってる。

 それはもう活き活きと僕を着飾って楽しんでる。


 今夜の夕飯はみんなで一緒に食べられる様に部屋の中に配膳をしてくれてるメノさんも、テリアさんが出来たー! と声をあげる度に作業を中断しては似合っておいでですよ、とにこにこ笑顔で褒めてくれる。


「この仕事してて良かった」

「テリアさんにも感謝ですね」


 それから二時間、僕は言われるがままに服を着ては脱ぎ、着ては脱ぎ、昨日までは一着もなかったはずの僕の服はこの瞬間で10着を越えた。


「服飾部総出で取り掛かりましたから」

「テリアさんには感謝ですね」

「ふっふっふっ、ユウト様マイスターになるからね、もっと期待してていいよ?」


 なんかお針子さん達に拝まれてるけど、何してるの。

 もうご飯の用意も出来たんだし、そろそろご飯食べたい。


「テリアさーん、僕おなか減ったー」

「あ、はーい! それでは」

「お時間を頂きましてありがとうございました。それでは」

「また新作が出来ましたらお持ちします。それでは」


「「「部屋着を選ばないといけませんね」」」


「こ、これ! これがいーな僕!!」


 咄嗟に深緑のシンプルな一着を掴んで必死にアピール!

 これ以上着せ替え人形にされたら堪らないよ!


 渋々ながら諦めてくれたので、最後の着せ替え人形を済ませてようやくみんなとご飯だね。


「お疲れ様」

「お疲れ様でした」

「またやるからねー」

「しばらくはいいよ、いっぱい作って貰ったし」


 心底疲れたとがっくりしてみせるとみんなくすくす笑いながら席について……ついてー?


「メノさん?」

「どうかされましたか?」

「近いよ?」

「そうですね」

「僕、右利きだから、もうちょっとだけ離れてくれると食べやすいかなって」

「それでしたらユウト様にはわたくしが食べさせて差し上げますので問題ありませんよ?」

「え!? いや、僕、普通に食べたいなー」

「アイリス様には抱っこまで許されたと聞いておりますが、わたくしはダメでしょうか?」

「リリさん!? なんで言っちゃうの!」

「情報の共有」


 キラーンと目を輝かせてぐっと拳を握るリリさんは、絶対に今度は自分もやるとの決意が溢れてた。

 メノさんはにこにこ笑顔。僕がお断りの言葉を言おうと口を開くと今にも死にそうな顔になって、口を噤むとにこにこ笑顔になる。


「オネガイシマス」

「お任せ下さいませ」


 大丈夫、ここには三人しかいないから。

 うん、ご飯は一緒に食べたいけど、毎食は止めよう。

 これが普通になったらなんかダメなものがダメになる。


「「「日々の糧に感謝を」」」

「いただきます」


 そこからは、それはもう嬉しそうなメノさんに甲斐甲斐しくお世話をされ、今後の参考にしますから、と味の感想を聞かれながらゆっくり食事をしたのだった。


「あ、お茶ですよ、どうぞ」

「ありがと」

「うーん……全体的に味が薄く感じられておられますね」

「そうだねー」


 ご飯は美味しいよ。

 でも、向こうの食事はやっぱり調味料が豊富なだけあってこことは味付けが全然違う。

 それは仕方ない事だし、別に美味しくないわけじゃないけど、慣れた味覚にはやっぱり淡白な感じを受ける。


「塩を多めにしたものもお嫌ですよね?」

「そうだね、塩辛いのはなんか違うなぁ」

「かといってスパイスも味が個性的ですしね」

「うん、発酵食品あれば色々広がると思うんだけど」

「ハッコウショクヒンですか?」

「腐らせた食べ物だよ」

「それは……おなかを壊すだけでは?」

「えーと、それはダメな方で、いい腐り方? があるんだよ。まぁ人が勝手に分けてるだけだけど、人が食べられる腐り方するのが発酵食品だね」

「食べられる腐り方、ですか……」


 イマイチよくわからないと首を傾げてるメノさんに、僕もどう説明したものかと頭を悩ませる。

 キノコとかは、菌類だから大枠では似たようなものだけど、発酵とは違うし、納豆とかは匂いもキツいし食べ物には思えないし、お醤油ないと味気ないから発酵食品の良さはわからないし。


「あ、お酒は発酵食品だね」

「お酒がですか?」

「うん、果物が材料のお酒ない? あれが分かりやすいんじゃないかと思うんだけど」

「ワインなどはこちらにもありますが、アレが腐ってるのですか? いえ、腐らせた結果ですか?」

「そうみたい」


 発酵させると匂いとかキツくなるのが多いし、普通に腐ってるのとわからないだろうから、なかなか手が出ないよね。


 毒のある物とかも、よく食べようとするよね。

 フグとか。

 生きるか死ぬかの状況だったらダメ元で食べるのかもしれないけど、そんな時にでも毒のあると分かってるフグ食べるかな。

 それともどうしてもフグ食べたくなるくらい美味しいのかな。

 食べたことないからわかんないけど。


「まぁそういうのがあってね。その発酵食品の調味料から何からいっぱい種類あるから、色んな味付けが出来たんだよね」

「それはこちらには無いものでしょうか?」

「大豆があれば僕でも二つくらいはそれっぽいの作れると思うよ」

「大豆ですか、ありますね」

「あるの? じゃあ、今度作ってみる?」

「ちなみにどんな調味料でしょうか?」

「味噌って言うのと醤油っていうので、味噌がこう茶色いねっとりした感じの奴で醤油は黒っぽい液体? どっちも塩辛い感じなんだけど」

「ショウユはわかりませんが、ミソは似たようなものがあったかもしれませんね。確認しておきます」


 おー、味噌はあるんだ?


「お話はもう終わった?」

「はい。とりあえず、と言ったところですが」

「じゃあユウト様、今夜は私とお風呂行きましょうか」

「うん、じゃあお願い」


 後ろから覗き込んできたテリアさんがそう悪戯っぽく笑いかけて引っ張って行く。

 脱衣場で先に靴紐を解かないと、と思ってガチガチに結ばれたソレと悪戦苦闘してたら、見かねたテリアさんが魔法か手品みたいにするっと解いてくれた。


「え!? なんで!?」

「ふふふ、こーゆーのはコツがあるのですよ」

「それ、教えて欲しいなぁ、リリさんだとハサミだよ?」

「どーしよーかなー、教えちゃったらユウト様のお世話するのが一つ減っちゃうしなぁ」

「えぇ〜?」

「お姉さんが喜ぶ事を一つしてくれたら教えてあげる!」

「えぇー!」

「それまでは大人しくお世話されてね?」


 鼻をチョンとつついて離れるテリアさんを見ながら、何をしたら喜んでくれるだろうと考える。

 テリアさんのお仕事手伝ったら喜んでくれるかな?

 …………なんか、仕事取られることを嫌がりそう。


 じゃあ何したら喜んでくれるんだろう。

 メイドのお仕事はダメってなると、そういうのとは関係ないのじゃないとダメだけど、メイドのお仕事で僕に付きっきりだとそれ以外に時間ないし、着せ替え人形になったら喜んでくれるかもしれないけど、テリアさんに喜んでもらえるってなると、なんか違うような気もするし。


「ユウト様ー?」

「なーに?」

「このまま全部見ますか?」

「全部って何の?」

「私の脱ぐと・こ・ろ」

「へ?」


 気づけば、エプロンはとっくに外されていて、今、スカートがはらりと下に落ちた。

 スカートに仕舞われてたシャツは裾が長めだから下着は見えてないけど、テリアさんの細くてキレイな足が───


 って、何ぼけっと見てるんだ僕は!!


 くるっと後ろを向いて慌てて服を脱ぎ散らかしながら謝る。


「ご、ごめん、テリアさんに喜んで貰えることなんだろうって考えてたから!」

「そんなに慌てなくても大丈夫ですけどねー」


 くすくす笑ってるのが背中越しに分かるけど、そーゆーのでからかうのはダメだと思う。

 テリアさんは女の人なんだから、もっと気にしないといけないと思うんだよね。

 まぁ、僕が子供だからだと思うけど、タオル巻いてくれてはいるけど、リリさんといい、テリアさんといい、無防備過ぎるよ。


「先に入ってるからね!」

「はーい」


 《検閲コード(見ちゃダメ)に抵触しました(なんだからね!)


 お風呂であったかくなったら凄い眠たくなってきた。

 ちょっと恥ずかしかったけど、テリアさんに抱っこされるみたいにして湯船に浸かってたらそのまま寝ちゃいそうで、今もテリアさんに髪の毛乾かして貰いながら、目蓋を必死に開けてるみたいな感じ。


 テリアさんも何でか髪の毛乾かしてるだけで嬉しそうな感じだし、こーゆーのが普通なのかな。

 後、メイドさんしてた時はお団子にしてた赤い髪がまだ下ろされたままで、なんか大人っぽい。いや、うん、元々大人なんだけど、なんというか大人っぽいんだよね。


「ん……テリアさん、髪の毛いつもお団子?」

「そーですよー、メノみたく下ろしてると邪魔に感じちゃうんですよ」

「だからお団子?」

「はい」

「そっか、お団子かー」

「ユウト様?」


 眠いなぁ。

 お団子。


「ユウト様、失礼しますね」


 なんかテリアさんが言ってるけど聞こえなーい。

 お風呂で寝たら死ぬんだけど、テリアさんいるし大丈夫。

 海で波に揺られてるみたいできもちい───



チートはやっぱりお料理辺りが……

でもそこまで深く掘り下げません。

私は、食事シーンをあまり広げたくありませんので、これからもさほど触れるつもりはありません。


後、検閲コードで舌打ちされた諸兄に朗報です!

明日のテリア視点でちょっと伺えます(^^)


一応、ちょこっと言っておくとこの神様の横槍はユウト視点でのみ使われますので、いつか誰かの視点でのみ解禁されます。

翻訳機能も同じくです。

意味が分かりにくくなりそうな時は目をつぶってますがw

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― 新着の感想 ―
[一言] とりあえず現時点では13まで来ましたが、聞いていたとおり妙なハードさがガガガ…。 おいおい読み進めています。 熊より
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