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始まりは突然に

よろしくお願いしますm(_ _)m


異世界転移物でゆるっとおねショタします。

お姉様方に愛でられつつ頑張る男の子に興味のある紳士淑女の皆様方、どーか生暖かく見守って下さいませー

 


 何がどうなっているのか、全く分からなかった。

 朝起きたら、石の部屋? に居て、物語に出てくる様な鎧を着た大人やぞろっとした魔法使いの様な服を着た大人が居た。


 何人も何人も──


「──だ子供じゃない──」「──が勇者なの──」「──な大人よりは──」「──余地がある──」「──逆に楽では──」「──大丈夫なの──」


 ぶつぶつと周りを囲いながら囁く大人。

 誘拐でもされたのかと怖くて怖くて声なんて出ようはずもなかった。

 視線を動かしてキョロキョロと周りを伺っても、異様な雰囲気に押しつぶされそうな重圧しか感じなかった。

 大人達の誰もが自分に注目しているのに、視線だけは交わらない。

 そうしてどれ程経ったのか、鎧を着た内の一人がカチャカチャと音を立てながらこちらに来た。


 怖くて浅い呼吸をしながらじっと見る。

 他よりも明らかに大きな身体。

 鎧の上には兜なんかはなくて外人みたいな顔付きで、何があったのか傷だらけでトラやライオンなんかと向かい合っていても怖さで勝てるんじゃないかと思った。

 目を逸らしたらその瞬間に殺されるんじゃないかと、そう感じて身動きもせずに見ていると気付けば見上げる様にしていて、初めて目の前にまでその男が来ている事を認識した。


 ガチャリ


「ひっ!」


 今までよりも大きな、鎧が立てる音に怯えて、喉をしゃくり上げるような声が漏れた。

 そうして金縛りにあっていたかのような身体が動く事を始めると、恐ろしさの余りに身をすくめて、ガタガタと震え出した身体を今度は止まってくれとばかりにギュッと握りしめた。


「名はなんという?」


 ナハナントイウ……?

 怖い、怖いっ、怖いっっ!!

 こ、ころ、殺される……? 殺される?


「……ひ、ゃ、ゃだ、し、しにたく、なぃ……っ」

「大丈夫だ」


 ダイジョウブダ……?

 何が!?

 こんな訳の分からない状況の何が大丈夫なのか!?


 そう思って瞑っていた目を開けてキッと睨みつけると、跪いた男が、静かにこちらを見ていた。


「大丈夫だ」


 そうして再度言う。

 ゆっくりと、落ち着かせるように。


「なにが……? ここどこ? ウチに、返してよぅ……」


 ぐっと泣くのを堪える様にして絞り出した声はか細く、掠れて聞き取りづらかったが、男には聞こえていた様だ。


「すまんな、混乱しているだろう?」

「……(こくり)」

「色々話してやりたいが、ここは冷える。怖いだろうが、一緒に着いてきてはくれまいか?」


 じっと見る男は、困った様にしながらもこちらの返答を辛抱強く待っていた。


 大丈夫だろうか?

 誘拐されて、大丈夫も何も無い、そうは思っても、まだ子供でしかない自分を一人の人間として、対等に扱うかの態度に、誘拐犯らしくない真摯さを感じた。


「…………うん」

「そうか、ありがとう」


 そう言ってグッと伸ばした手にびくつくも握手を求められているのだとわかり、おずおずと手を出した。

 そして見た目に違わず力強く握られるとそのまま一緒に立ち上がった。


「うむ、私はダスランと言う。名を教えてはくれまいか?」

「ゆうと」

「ユウトか、良い名だな」

「うん」

「さぁ、ユウト、こっちだ」


 気付けば、先程まで居たはずの何人もの人は随分と少なくなっていて、魔法使いみたいな人がちらほら残っているだけになっていた。

 怖くてちゃんと見れなかったが、改めて見てみれば、まるで漫画やゲームの中みたいだった。


 ストーンヘンジ? よりは綺麗に整えられた何かの儀式でもするかのような場所、室内だけど。

 いくつも立ち並ぶ柱の真ん中辺りにいた。

 ふと足元を見れば、これぞ魔法陣!と言わんばかりに自分を中心にしてぐるぐると模様が描かれていて、えも言われぬ恐ろしさにぶるりと震えた。


「ユウト」


 辛抱強く待っていてくれたダスランにくいっと引かれた手で、ボケっと立ち尽くしていた事に気づいて歩き出す。

 何も、そう何も分からない。

 けれど、ここに居てもそれは変わらない。

 頭の中で大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせながら、それでもやはり怖くて恐る恐る足を進める。

 と


「……あの……」

「ん? どうした?」

「えと……トイレ、行きたい」


 石造りのこの場所はやはり冷えたのか、今まで忘れていた尿意にモジモジと足を揺すりながらお伺いをしてみる。


「といれ……? ……あぁ、厠か、分かった先に案内しよう」


 くつくつと笑いながらそう言って幾分早足になったダスランの後に続いてユウトもついて行く。

 開かれた扉をくぐり、石で出来た無骨な階段を降りていく。

 何段も何段も降りていく。


「ダスラン、さん、まだ? 漏れちゃうよ……っ」

「おぅ、もうすぐだ、我慢しろ」

「……う〜」

「ユウトは男だろう、耐えて見せろ」


 おしっこ我慢するのと男らしさに何の繋がりがあるのか。

 ダスランさんも寝起きでトイレを我慢してみれば分かるのに。

 はやくしないとほんとにもれちゃう……

 あ、かいだんおりるのっておなかにひびく……


 お腹の中で水風船がポヨンポヨン跳ねるのを幻視しながら歯を食いしばる様にして歩み続ける。


 もうすぐってだれきじゅんのもうすぐなの?

 あ、ちょっともうだめかもしれない。

 だすらんがもうすぐとかうそつくからだし。

 もらしたらわるいのぼくじゃないし。


「ついたぞ、ユウト……ユウト?」

「……ふっ……ふっ……」

「ほら、後はズボン下ろすだけだ、ここまでの努力を無駄にするな! だから手を離せ、私の手を握っていてもズボンは下ろせんぞ」

「……ふっ……ふっ……」


 げんかい……

 もだめ……


「あ! バカ! 何をやりきった顔してるんだ! 負けるんじゃない! 後一歩だろう!」

「ずぼんおろしたらそのままいきそう……」

「よし、なら私が下ろす。だから、な? 手を離せ、ユウト」

「……むり……」

「男をみせろ、ユウト!」


 おとことかおんなとかかんけいないし。


 あ




では、先の気になったお方から次へどーぞw


あ、投稿はストック尽きるまでは毎日します。

無くなったらその時は間が空くことをご報告させて頂きますので、よろしくお願いします

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