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観光バス

 ナン、ショウ、ザ・マンの三人は観光バスの乗り場に来ていた


 今日は平日だが


 メタ・センターに向かう観光客は、ナンたちの他にも、既に十人ほどいた


 50歳以上の男女ばかりである


 皆、仲間としゃべるよりも、メタをいじくることに夢中になっているようだった


 すぐに大型の観光バスが来た


 運転手はおらず、自動運転のバスである


 バスのドアが開き、アナウンスが流れた


 ”お待たせしました、このバスは、メタ・センター行きでございます”


 ”メタ・センターまで止まりません、10分後の発車でございます”


 3人はほかの観光客に続いて、バスに乗り込んだ


 また少しして、アナウンスが流れた


 ”ご乗車ありがとうございます、このバスは、メタ・センター行きでございます”


 ”次は、メタ・センターに止まります”


 ”メタ・センター到着は9:15でございます”


 ”間もなく発車いたします”


 「15分で着くのね」


 とナン


 「結構早いね」


 とショウ


 少しして、バスは発車した


 バスは、樹海の中の舗装道路を進んだ


 ナンは途中で、右手に、巨大なイカの様なものを見た気がした


 気のせいだろうか


 ”まもなく、メタ・センターでございます”


 とアナウンスが聞こえた


 急に木々が開けて


 前方に、ビルと工場が現れた


 バスは、その前の空き地で止まった


 ”ご乗車ありがとうございました、メタ・センターでございます”


 アナウンスが流れ、バスのドアが開いた


 「ザ・マン起きて、メタ・センターよ」


 ナンは、ザ・マンをゆすった


 ザ・マンは少しだけ目を開いて


 「もう着いたの」


 と言った


 「降りよう」


 とショウが言った


 3人は他の観光客に続いて、メタ・センターに降り立った


 観光客を乗せたバスは


 自動で、富士吉田市行きの乗り場に向かって走っていった


 「メタはどっちかしら」


 ナンはビルと工場を見て言った


 「たぶん、ビルの方だと思うよ」


 とショウが言った


 「じゃあ、ビルの方に行きましょう」


 とナンが言った


 他の観光客は、全員、工場の方に向かって行った


 3人は、ビルの方に行った


 

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