丸八
私は、国王と平民の間に生まれた子供だった。
国王は女たらしで他にも子供を何十人も作った。
私たちの母親は全員、抹殺され、私たちは地下のあの牢獄へと収監された。
こうして、牢獄の中の日々が始まった。
1日、2日と食べ物が全く与えられない状況が続き、もらえても1週間に1回、パンを3等分したものが一番よかった。水は
次第に、皆、腹が減り、餓死寸前になった頃、食べ物が与えられ、生きるための殺し合いが始まった。
あの狭い牢獄の中で、私と他にビスケ、コロン、ベス、アルゴー、アルギウスの6人が、生き延びた。そこで、私は嬉しさを知った。
何年か経ち、14歳になって5人が仲良くなった頃、ベスが赤い白衣みたいな服を着た男に連れて行かれた。
そして、ベスは帰ってこなかった。
たまに、牢獄に来る人にこの事を聞くと
「あの子か~。あの子はね、ここから遠いところに引っ越したんだよ。」
私は、その時、そうなんだと納得してしまった。
だが、ビスケ、アルギウス、アルゴーとなくなっていった。
「シャルちゃん、みんなどこに行っちゃったんだろうね。」
「なんかね。遠い所に行ったらしいんだよ。」
「へぇー。そうなんだー。」
私とコロンは平和だった。
平和が故に、頭の中がお花畑になりすぎていて、疑いもしなかった。
コロンの15歳の誕生日、ついに、コロンは連れて行かれてしまった。
私は、ひとりぼっちになった。私は、これまでひとりぼっちという感覚がなく、他人と生活を共にしてきたが、私はここで寂しさという感情を覚えた。
いろんな感情を知り、覚えた。
そして、ついに私の番が来た。
最後の感情、恐怖を覚えた。
《叡智スキルを取得しました。》