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真珠の魂

作者: しろぷー

 人の魂、動物の魂、虫の魂、微生物の魂。実は動くモノならどんな物にも、魂はあるんだよ。

 プランクトンにもあるなんて嘘だと思うでしょ? でも実は、魂の欠片、核なら、ウィルスにすらあるんだ。

 誰かの砕け散った魂や魂の欠片が核になってウィルスを動かしているの。

 そして、魂が砕ける事無く命を終えたら、その魂はまた次の生き物の魂の核になるんだ。輪廻転生ってやつね。

 ウィルスみたいなほとんど何も感じてないような増殖欲しかないような魂は、命を終えるまで生きてもなかなか大きくならないの。

 そう、魂は生きている間にいろいろな事を感じて、その感情や思いを纏って大きくなっていくのよ。

 まるで真珠みたいにね。ちょっとずつ新しい膜ができて煌きを深くしながら大きくなっていくの。

 でもね、とても苦しい事、耐えきれない程辛い事を感じたら魂には傷がついちゃうのよ。

 最悪な時は引き裂かれて砕けてしまう。

 そんな砕けた魂の欠片や、傷がついた時に飛び散ってしまった魂の欠片を新しい核にして、またウィルスの魂になるの。

 魂の大きさはとっても重要よ。

 小さな魂じゃ、心の大きな生き物を動かすことができないのよ。

 小さな魂は小さな心の生き物に宿って、その生を重ねて、膜を重ねて大きくなったら、大きな心を持った生き物に。

 だから、人間にまで育った魂は、人間より小さな心の生き物には入れない。

 人間の魂は、深く傷ついて砕けてしまうまで、ずーっと人間のままなのよ。

 そして人の魂が砕けて塵のように小さな沢山の欠片になって、37兆個ぐらいのウィルスの魂になるのよ。

 人の中には特に打たれ弱い人なんかいるでしょう?

 そんな人はね、前の生の時に負った魂の傷が癒えていないのよ。

 砕け散りやすい魂をしているって事。新たなたくさんの命の素になるのよ。

 傷は癒えないのかって?

 癒えるわよ。魂に傷がつかないように注意して、沢山の感情を魂の膜になる様に与えれば。

 新しい膜が少しずつ傷を覆っていっていずれいびつな形ではあるけれど傷は塞がるし、そのまま膜を重ねればまたきれいな魂になるかもね。

 そんな沢山の命を経て大きく育った、真珠の魂を、人はみんな持っているのよ。

 だから人の心はとても美しいのよ。

 自身すら焼き焦がすような怒りに燃える真っ赤な魂も、悪事に身も心も染めた真っ黒な悪人の魂も。

 悪魔はね、そんな綺麗な魂が大好き。砕けてしまう一瞬の輝きだって好きだし、手元にずっと置いておきたいと思う事もあるのよ。

 人が宝石を愛でるように、悪魔も人間を、人の魂を愛でているのよ。だって綺麗だから。

 あなたの魂、とても私好み。

 一度真っ二つになる程の亀裂ができたのに砕けずに、また亀裂が埋まるまで何度も生まれ変わって……

 一筋の星の模様が入った真珠みたい。

 ねぇ、大事にするから、私に頂戴?




 目の前の美しい悪魔が私に囁いた

深酒した時に夢か幻覚で遭った、美しい悪魔が語った人の魂を欲する理由を二日酔いの頭痛の中で書き記したメモを発見したので投稿してみました。

もう一度会いたいなぁと、つい晩酌が進んでしまう私の思い出をここに記す……

初投稿かつ酔っ払いの思い出につき、生暖かい目で見ていただければ嬉しく思います。

悪魔は、美しいオネエでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とっても素敵なお話でした。 言葉のチョイスが美しくて、それでいてすとんと心に落ちる重みがありました。そしてあとがきを見てびっくり。実体験だったとは…!本当にそうなのかもって思って、再度読み…
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