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2日目 ギルド契約講師の場合

 ギルドの契約講師の場合


私はベテラン冒険者のクロウト(仮)、Bランクのハンターだ


ハンターと言っても明確にクラスが決まっている訳ではなく便宜上そう名乗っているに過ぎない。弓をメインに使うだけで、剣も槍も使えるぞ?


普段は約10日のサイクルで泊まりがけの討伐依頼と休息を繰り返しながら過ごしているんだが、季節外れの新人が入ったらしく講習依頼が来た。

毎年雪解けの時期になると地方の村から十数人ずつ若者がやって来て冒険者に成るのがこの地方の年中行事である。

講師の報酬は安いが後輩を育てる為だし安全な仕事も悪くないな。

聞いた話によると今回の新人は講習を受けずにいきなりスライム狩りに出かけて、倒したのは良いが核を持ち切れなくなったヤツらしい。

・・・バカなのか?

まぁ初心者など失敗を重ねながら成長するものだ、怪我も無く帰ってきたので良しとしよう。


「それでは講習を始める。今日の受講者はお前1人だ、タナカと言ったな?一通りの説明はするが気になる事があれば質問をしてくれ。」

なんだか話してみると妙に難しい事を知っている癖に当たり前の事を知らなさ過ぎる、少々不審なのでギルマスに報告だな。

一通りの座学を施したが素直なヤツじゃないか。


「次は適正診断だ、この魔石を両手で挟んでみてくれ。」

ふむ、魔力は平均以下で戦闘向けの魔法は無理だな訓練を積めば生活魔法くらいなら使えそうだ。


「戦闘訓練を行うので裏の訓練場へ移動だ。」

武器は一通り扱えるし動くほどに目に見えて上手くなるなこれは将来が楽しみな人材だ。


「最後に明日から1泊の野営実習に向かうので買い出しに行くぞ。」

・・・おいおい、おいおいおい、なんで何も持って無いんだ?

武器防具と小さなカバンに幾らかの金の入った袋しか持って無いいくらなんでも怪しさ大爆発だぞ。どうやって町まで来たんだよ?


とりあえず買い物を済ませてギルドに戻り問い詰めてみると一度死んだけど元の世界で生き返らせると問題が有るからこの町の近くまで転移させられたらしい。

確かに過去にもそのような人物は居たが私の手に負えないのでギルマスに相談しよう、そうしよう。


一応領主に報告はするが犯罪者でも無い限りは特に問題は無く、場合によってはギルドで保護する事も出来るらしい、久しぶりにギルドの偉大さを思い知った気分だ。


新人のタナカには朝食後にギルド集合と指示して別れいつもの酒場へ、何十年も前に異世界から来たとかいう女が始めた店で今はその孫夫妻が切り盛りしている。

酒は普通でも食事は美味いのがこの店の自慢だ。

初代の女主人も随分前に他界したそうだが料理の味は落ちていないな、新人講習が終わったら異世界から来たとか言うタナカにも奢ってやろう。



 おまけ

正体がバレた転移チートさんの独り言


ヤバい、あっさりバレた!

流石に荷物も無しに旅をするとか有り得ないわな~。

この世界じゃ異世界人も受け入れられ易いって神様も言ってたし、気を取り直して前向きに生きよう。


それにしても冒険者って予想以上に持ち物が多いんだなコンビニも自販機も無い世界じゃこの程度は必要になるのか、異世界舐めてたぜ、ビックリだよ。


続く



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