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兄弟初共演☆

間開いてスミマセンm(_ _)m

街を案内してくれるという香について行って暫く、美優たちは大通りに出ていた。

「あそこのお店とか、大方の物は揃うはずよ」

「大きいですね!」

美優の地元では見られない規模のショッピングモール。薄々感じてはいたが、ここら辺はかなり都市部の様だ。

「なぁ、あれはなんだ?」

「あれ?」

不意に立ち止った萌神様の視線を美優が追うと、道のわきでクレープを売っている屋台が見えた。

「萌神様もしかして、クレープ食べたいの?」

「くれーぷ?美味いのかそれは?」

狐の姿で首を傾げられると美優だって高校生の女の子、中身が萌神様だと分かってはいても可愛い物は可愛いのだ。

「すみません、香さん。クレープが食べたいんですけど…」

「良いわよ、買ってきてあげるから待ってて」

「え!?そんな、悪いですよ!」

「いいのいいの。それに、大丈夫なんだろうけど、あんまりペットを食べ物のお店に近づけるのは良くないわ」

「あ…すみません」

「私は平気だから、ちょっと待っててね」

人ごみの中に消えていく香。香の姿が見えなくなると、美優は盛大に溜息を吐いた。

「萌神様、その格好だと何かと不便なんだけど」

「仕方ねーだろ?てか多分、人間のときの方が浮いてたぜ」

言われて美優も確かにな、と思った。銀髪ロングで赤目の美女は、ここ日本では狐以上に目を引く。

「この姿だったら普通の奴は大抵犬だと思うだろ」

「そんなのよく見たら気付いて…ん?」

「どうした?」

「今、香さんがいたような…」

「あいつならくれーぷ買いに行ったんじゃねーの?」

「そうなんだけど…あ!」

大勢の人の中でも香の結んでも腰まである長い髪は見間違えることはない。美優達から少し離れた所にその人物はいた。

「香さん?」

「…え?あ、あら」

「どうしたんですか?」

「いや、あの…ちょっとね」

明らかに様子のおかしい香に、美優は違和感を覚える。

「あの、香さ…」

「てめー、ここで何してんだよ」

美優の背後から聞こえてきた地鳴りのように低い声。美優は勢いよく振り返る。

「香さんが二人!?」

「あーあ、見つかっちゃったか」

突然、もともと美優の目の前にいた香が自らの髪を引っ張ると、それは簡単に頭から外れた。現れたのは先程道で美優が足を踏んでしまった男性。声も香の物とは違い、少し低くなっている。

「俺は風上宗一、宜しくね」

「え!?」

「宜しくする必要はないわ、てめーはここで死ぬんだから」

いつの間にか美優と宗一の間に入って来ていた香が、医療用と思われるメスを手に物騒なことを言う。

「香さぁ、銃刀法って知ってる?」

香のどす黒いオーラをものともせず、宗一は飄々とした態度を貫くつもりのようだ。

「貴様、ここにいると巻き込まれるぞ」

「え!?」

萌神様の言葉で我に返った美優が辺りを見渡すと、何事かとすでに集まり始めている野次馬。目の前では香と宗一が臨戦態勢に入っており、一刻も早く抜け出したい状況だった。

「これだけ人が多いと抜けるのもたやすくはねーな」

「やばっ、どうしよう…」

「仕方あるまい」

いつぞやのピンク色の煙が萌神様を包む。しかし、今回現れたのは女性の姿ではなく、大きな白い狼の様な姿だった。

「乗れ」

「うぇ!?」

「良いから早くしろ」

戸惑いながらも美優が背中によじ登ると、萌神様が地面を蹴る。あっという間にビルの壁を駆け上ると、萌神様はそのままビルの屋上を伝ってその場を離れた。

「凄い…」

「何かのアニメみたいだろ」

いや実際アニメでしょうがという美優のツッコミは、萌神様には届いただろうか。


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