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異世界で買い物だよ☆

華子達と別れて萌神様が用意したというマンションに到着して早々に、美優は再び街へ出る羽目になっていた。

「ちょっとはゆっくりしたかった…」

「引っ越しと言えば買い出しだろ!若いうちから籠ってばっかだと鈍るぞ」

何がだよ、と思うが口には出さない。昨日の今日で美優は萌神様の扱い方を自分なりに心得ていた。

休日の為か人通りの多い道を、萌神様はサクサク進んでいく。

「ちょ、もう少しゆっくり進んで!」

「はぁ!?若いんだからこれぐらい着いてこいよ」

「あんたと一緒にすんなっ!」

叫んだ拍子に誰かの足を思いっきり踏んでしまった。美優は慌てて足をどかして頭を下げる。

「わ!すみません!!」

「いや、こっちこそごめんね」

頭上から聞こえてきた声に、美優は下げていた頭を上げる。

「ごめんね、俺がよそ見してたみたいだ。ケガはない?」

「あ、はい!大丈夫です!」

「そう、なら良かった。人も多いから気を付けなよ」

「はい!ありがとうございます」

男性が見えなくなったのを確認して、美優は思いっきり萌神様を振り返る。

「やっっっっばくない!?なにあれ!めちゃくちゃカッコよかった!!」

「そうかぁ?」

ハイテンションな美優とは対照的に、萌神様は反応が薄い。

「っ、貴様後ろ!」

「え!?ってうわぁ!!」

再び衝撃、今度は女性とぶつかったらしい。

「痛たたた…あ!すみません、大丈夫ですか!?」

「あ、うん。大丈夫」

「…え?」

「?」

美優の目の前には先程の男性に似ている…いや、あの男性が髪を伸ばして結んだらこうなるのではなるのではないか、というくらいうり二つの女性がいた。

「あの…えっと」

「なに?」

「失礼じゃなければ…あの、ご兄弟とかって」

瞬間、女性の背後から物凄いオーラを感じた。流石の美優も、これには黙る。

「…!あ、ごめん。えっと…私の血縁は両親だけ。他はいない、絶対に」

「あ、そうなんですか!変なこと聞いちゃってすみません」

「それは別に良いんだけど…」

女性はじっと美優を見つめる。

「なんですか?」

「…もしかして高野美優ちゃん?」

「はい!え、でもなんで!?」

「悠也に聞いてたから。私は風上香、医者をやってるわ。悠也とは同級生だったの」

「高野美優です」

殺し屋(?)の友人が医者…美優はボーっと考えを巡らせる。すると、香が何かを思いつく。

「もし美優ちゃんさえ良ければ、ここら辺案内しましょうか?」

「え!?」

「やってくれるって言ってんだ、好意に甘えろ」

「萌神様!」

いつの間にか狐の姿の萌神様が美優の足元に座っていた。

「言っとくがな、この姿のわしの声は貴様以外の人間にはただの鳴き声に聞こえるからな」

「早く言えよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「あの…美優ちゃん?」

「すみません!!案内、ぜひお願いします!」

足元で大きな欠伸をしている狐に内心、今夜は狐鍋だ!とか思ってないよ、うん。






親切な女医さんかっこいいぜ☆

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