表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

掌編

コンビニにて

作者: 綴 詠士
掲載日:2025/12/18

 コンビニにて、俺は高校の同級生の朝宮さんを見た。


 背が高くお洒落な服を着こなしていて、学校で見る時の制服を着崩しているイメージそのままだった。

 

 彼女は学校では好かれていて、目立つ。そして何より、何故か俺によく話しかけてくれる人でもあった。だから俺も彼女のことはすぐ分かったのだけど。

 

「あれ、香坂くん」


 視線が彼女とぶつかり、俺は目を見開く。

 

「あ、ああ朝宮さん。こんなところで会うなんて偶然だね」

 

 ちょっと言葉を噛んでしまう。持っていたポテトチップスの袋の音が妙に大きく響く。

 

 朝宮さんは髪を触りながら言う。

 

「ええ。ちょっと飲み物が買いたくてね。香坂君は何買うの?」

 

「俺? えっと、ちょっとしたお菓子を」

 

 自分の手に持っていた大きいサイズのポテトチップスを見る。

 

「まあ、でも今日はこっちのチョコかな」

 

 近くにあった少し高めのチョコレートを反射的に取る。

 「濃厚なアーモンドが口に広がる大人の味……。これは買わなくちゃ!!」みたいなポップがあって目に入った。

 

「へえ、そのチョコ好きなんだ。どんな味なの?」

 

「ん? えっと、アーモンドだって、ごめん。俺も初めてなんだ」

 

「アーモンドなんだ。おいしそう。私もそれ買おうかな」

 

「え」

 

 朝宮さんが同じチョコを手に取る。

 

「でもまさか、香坂君がこんなところにいるなんて、意外だったな」

 

「そんなに意外? まあ、今日は偶々コンビニに行きたくなっただけだよ」

 

「そうなんだ。じゃあ、またここに来たら香坂くんと会えるのかな?」

 

「え…」

 

 思わずアーモンドチョコを強く握ってしまい、バキッと折れる感触を感じた。……これは買わなくちゃ。

 

「まあ、会える時もあるかもね」

 

「本当? じゃあまた会おうね。香坂君。学校でも声かけてよ。いつも無視されるし」

 

「無視してるわけじゃなくて、すれ違っても声かけていいのか分からないから」

 

「じゃあ声かけてね。またね、香坂君」

 

 そう言うと朝宮さんは会計を済ませ、出て行った。

 

 俺はちょっとの間。その場でじっと立っていた。

 

 コンビニにて、俺の恋は始まった。

 


他の掌編は作者ページへ。気に入ったらブクマ/評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ