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敬意としての沈黙-深夜番組「シンフォニア・ミッドナイト」の三十秒-

作者:NOVENG MUSiQ
 深夜の首都圏ローカル局『しののめFM』。ここでは“完璧な静寂は存在しない”という前提で、空調の低周波や紙の擦れ、指先の震えまでも『音の層』として扱われる。音は整えるもの、沈黙は設計するもの——そんな職人たちの世界だ。

 番組『シンフォニア・ミッドナイト』の生放送中、CM前の“十秒の間”が崩れ、一分の沈黙が電波に流れる。匿名の苦情、SNSの渦、スポンサーと編成の圧力。番組は打ち切りの瀬戸際に立たされる。

 台本担当の紙府 祈麟は『沈黙を未判断の共有』と定義し、MCの鵺守 梟臣、音響の鼓谷 猟斗、コメンテーターのコーヴィン・ケリグマーと共に、あえて“敬意としての沈黙”を再演するという逆転の賭けに出る。


登場人物紹介

紙府 祈麟(しふ きりん)
深夜番組の台本担当/進行。触覚で世界を測るタイプの職人。
沈黙を『余白の設計』と捉え、混沌に段取りを与えるのが使命。
合意を急がず『未判断で隣にいる』姿勢を打ち出す/物語の語り手。

鵺守 梟臣(ぬえもり きょうしん)
番組MC。磨かれた“銀の鎖”の声で牽引するフロントマン。
勢いで責任を引き受けがちだが
最終的にはチームで背負う覚悟に変えていく。
『怒りでなく痛みを』へ舵を切る柱。

鼓谷 猟斗(こたに りょうと)
音響担当。臆病=精密の人。
0.1dB単位で記録する指先は震えるほど繊細。

コーヴィン・ケリグマー
翻訳兼コメンテーター。諧謔で空気に楔を打つ観察者。
SNS解析やメタ視点で「沈黙は事故ではなく態度」と言語化し
ラジオの形式を更新する提案者。ときに裁判官、ときに詩人。

編成部長
数字とクレームを背負う現実担当。
最終条件(次回で数字回復)を突きつけ
作品世界に“市場の論理”を導入する試金石。

スポンサー担当
企業論理の代弁者。沈黙を条件付きで容認するが広告枠の厳守を求める。
対話を通じて“敬意としての沈黙”という異例の提案を
真正面から受け止める聴き手。

サウンド・キューブ(設備)
音響室の片隅にある小型防音区画。猟斗が音質チェックに使う個人空間。
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