その5
畑の西中学校 9月1日。3年C組前の廊下。
苦子:おはよー!元気だった?。
真央:うん。げんき。クコ、そんなに焼けて。宿題も受験勉強もしないで、プールいって遊んでいたな。
苦子:あれ?バレた?私は、水泳の記録で推薦とれるから、大丈夫だよ。プールで泳ぐのが、受験勉強だよ。
真央::そうだね。いいなあ。
苦子:ところで、真央、なんだか顔色悪いね。
真央:実は、お盆前に海水浴に行ってから、なんだか調子悪いの。肩が重くて、夜寝られないし。
琢磨:あの、真央さん。ちょっといいかい?
真央:あ、アクマクン。じゃなかった、琢磨君、突然なあに?
琢磨:アクマクンでいいよ。そう呼ばれてるの知っているから。俺、見えるんだ。君の背中に、妖怪がおぶさっているのが。
苦子:うそ!!そんなこと言うから、アクマクンなんて呼ばれるんだよ。
真央:待って、クコ。アクマクン、どんな妖怪がくっついてるの?
苦子:真央、本気にしてるの?
琢磨:本当だよ。真央さん、自覚があるんだね。昼休みに、学習室で話そう。勉強教えるって言って、先生に使用許可もらっておくから。二人だと許可もらえないから、苦子さんも来てよ。
真央:クコ、お願い。
畑の西中学校 9月1日昼休み。学習室。
琢磨:おい、妖怪。お前何で中学生の背中にくっついているんだ?
真央の声:僕が海でおぼれていたら、ちょうどこの子が通りかかったんで、助けてもらった。
苦子:きゃーーーーーー!いやだー、真央の声なのに、真央じゃない。どうして?
琢磨:静かに!この妖怪と話し合って、納得して帰ってもらわないと、真央さんが危ない。
真央の声:80年もおぼれていたんだ。もうしばらくこうしていてもいいだろう?今は、令和っていうんだな。昭和は遠くなっちまったなあ。
琢磨:お前、戦争のときに海でおぼれて、そのまま妖怪になったのか。
真央の声:お母さんが、船に乗って本土に行って戦争に勝つまでみんなと一緒にがんばれって言ったんだ。なのに、船が攻撃されて、僕はおぼれて。でも、お母さんに会うまで死なないで頑張って来たんだ。
琢磨:お前、そのとき何歳で、お母さん、何歳だったんだ?
真央の声:僕は小学校4年生で10歳、お母さんは30歳だよ。
琢磨:80年たったんだろ。80+30はいくつだ?
真央の声:算数くらいできるよ。110だよ。
琢磨:それなら、お母さんはもう天国に行っている。分かるな?
真央の声:分かる。僕、この世にいたら、会えないね。行かなくっちゃ。お兄さん、ありがとう。
苦子:アクマクン、すごい。これからは、天使君って呼ぶわ。
後書き
4日目を見たら、おなじく16pvでした。pvが一けたになるのが先か、筆者のアイディアが枯渇するのが先か?続いて頑張りまーす!(その6、書けるかしら?)
追記
5日目を見たら、15pvだったのですが、その4,5を読んでくださった方は、一けただったので、終了いたします。ほらあをうまく書く才能はありませんでした。読んでくださった方、ありがとうございました。
追記その2
なんと、7月26日に、4ポイント入れていただいて、完結済み日間ホラーで、一時、13位になっていました。ありがとうございます!!感激。そして、これでは小説ではない、勉強しなさいというありがたいアドバイスもいただきました。つい、短く書きやすい形でパターン化してしまったので、反省!次の秋の文芸展は、ちゃんとした小説を書きます。(本人的に)