第一夜・少女のアリカ-7-
前回からの続きです。
拒否がないことを確認すると、口内に溜まった液体をアリカの口腔に流し込む。
すると、彼女の方からも舌に乗せて僕の口に運んできた。
薄暗い工房の中で粘着質な水音を鳴らしながら、求めあう。
それを何度も繰り返した後、自然と僕たちは二人して唇を離した。
「――んぁ。ふふ、えっち……だね」
「アリカが、そうさせてるんだよ……」
口を液体で濡らしている彼女は、とても蠱惑的だった。
「なら、我慢する必要はなくなっちゃったね」
幼い子供の笑みを浮かべ、アリカは僕の方へと体重を傾けてくる。
抵抗をしない僕はそのままベッドへと押し倒され、自然と彼女が上になった。
「痛っ!」
倒れたときにでも足を捻ったのだろうか、鈍い痛みを足首の辺りに感じた。
「あれ? どこか打ったの?」
心配そうな顔をしたアリカは手を伸ばし、僕の足をさすってくれた。少女の手はすべすべでとてもやわわらかい。
少しだけど、痛みが和らいでいくようだ。
「うわ……」
「痛い? マッサージした方がいいと思ったのだけど」
赤い瞳を大きく見開いてアリカは僕を見つめてくる。
彼女のお陰で痛みは治まったのだが、これは不味い。
触れられた所の神経が、研ぎ澄まされたように敏感になっている。




