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時空転生 - 時間止めて異世界救ってみた -  作者: 直樹
第1章: 異世界の誕生と転生
2/6

1話:異世界転生

寒い。

しかし赤ん坊のままこんなところに放置されるとは。やはりAIはAIなんだな。このままここにいるとウイルスを除去するどころじゃなく死んでしまうぞ。


動こうにも自由に動かんし、生後何か月かわからんがハイハイも上手にできない。

見た感じ明らかに自分がいた世界と違うよな。

さっきからドラゴンみたいな鳥が空を徘徊してるし、太陽が2つある。

異世界らしくなにかできないのか・・

手がおでこに振れた瞬間


ビヨン


目の前にステータス画面みたいのがでてきた。


 ステータス

 名前:黒野鍵一

 種族:人間

 称号:なし

 魔力:1000

 魔法:時空魔法

 技能:なし

 耐性:なし


うーん、時空魔法が使えるって事だな。魔力1000は多いのか少ないのかわからんが、時空という事から時間よりも上位互換で時間と空間を掛け合わせた魔法が使えるという事か?

とりあえず、やってみるか、時空魔法でまずは俺の体を浮かせてみよう

浮け!ほら浮け!

シーン。

なにも魔法がでないぞ・・・。まずい、日も暮れてきたし、寒くなってきた。

気が付けばさっきまで上を徘徊してた鳥っぽいドラゴンも消えていた。

ガサガサッ

草むらから狼のような魔物ベアウルフが現われた。

あきらかに俺を食おうとしているのがわかる。

ベアウルフがどんどん俺に近づいてくる。

くそ!はめられた!何がAIだ!こんなどうしようもないとこで全身を生きたまま食われて終わるのか!

すまん梨田!お前を巻き込んで本当にすまなかった・・。

うわー!食われる!

その時、森の中から声が聞こえた。


「ファイアーボール」


とてつもないばかでかい炎の塊がベアウルフに直撃した。


ギャオオオオ!!


ベアウルフがひるむと、すかさず


「サンダーボルト」


次は雷が上空から降り注ぎ、ベアウルフは倒れこんだ。


映画でみたような魔法が目の前を飛び交い、そのリアルさに改めて実感した。

自分が死んで転生したことと、全てが事実だったということに。


「おや、こんなところに赤ん坊が捨てられておる」


俺の前に立っていたのは、優し気な表情の年配の老人だ。

この老人があの魔法を放ったと言うのだろうか。


「あーあーあーいー(ありがとうご老人)」


「ほっほっほこれもまた何かの縁かのぅ」


老人は穏やかに微笑みながら、俺をじっと見つめていた。彼の眼差しには優しさが感じられるが、どこか不思議な力を秘めているようにも思える。どうやらこの異世界で、初めてまともな人間と出会ったようだ。


「こんな小さな赤ん坊が、どうしてこんな場所にいるのかのぅ…まあ、今はそれを考えるより、まずは安全な場所に連れて行かねばな」


老人は俺を優しく抱き上げた。柔らかな布でくるまれている感触が心地よい。俺はまだ赤ん坊の身体なので、どうすることもできないが、この老人にはどうやら助けられたようだ。


「ほっほっほ、見た目は赤ん坊でも、どうやら普通の赤ん坊ではなさそうじゃのう。何か特別な力を感じるぞ…」


老人がふとつぶやいた。その言葉に反応して、俺は彼の顔をじっと見つめた。どうやらこの老人、ただの村人や放浪者ではないようだ。


「お主…この先、何か大きな運命に巻き込まれる気がするのぅ。まあ、それはわしの役割ではないがの」


老人は俺を抱いたまま森の中を歩き出す。周囲の木々や茂みが次々と過ぎ去る中、俺はこの異世界での最初の出来事を振り返っていた。


異世界、そして時空魔法。自分が今置かれている状況を考えると、まさにゲームやフィクションの中に入り込んでしまったかのようだ。しかし、実感がわいてきた。これが現実だ。そして俺はここで生き抜かなければならない。


この世界がシミュレーションであれば、こんなファンタジーな世界も創造可能だよな。


老人はそのまま、しばらく歩き続けた。森を抜けると、やがて小さな村が見えてきた。茅葺き屋根の家々が立ち並び、村人たちが穏やかに暮らしている様子が伺える。


「ここがわしの住む村じゃよ。」


老人は村の門をくぐり、俺を連れて小さな家の前に立ち止まった。家は決して豪華ではないが、手入れが行き届いており、どこか安心感を与える雰囲気だ。


「さて、少し待っておれ。中に入れてやるからの」


老人は家の扉を開け、中に俺を抱いて入る。中は暖かく、木造の家具が所狭しと並んでいる。炉が焚かれており、優しい火の光が室内を照らしていた。どうやらここでしばらくは安全に過ごせそうだ。


老人は俺を布団に寝かせると、静かに立ち上がった。そして、そのまま俺の顔をじっと見つめ、何かを考えているようだった。


「お主、何か不思議な力を持っておるようじゃな…いや、これは時間系の魔法かの?」


そう言って、老人は手を伸ばし、俺の額に軽く触れた。その瞬間、俺の頭の中に、またあの「ステータス画面」が浮かび上がった。


 ステータス  

 名前:黒野鍵一

 種族:人間

 称号:なし

 魔力:1000

 魔法:時空魔法

 技能:なし

 耐性:なし


「人間で魔力1000…たまげたな。お主、ただの赤ん坊ではないのぅ。しかも、時間系ではなく時空魔法なんぞ聞いた事がないぞい…。ふぉっふぉ」


老人の言葉に、俺は少し驚いた。相手のステータスも見る事ができるのかこの世界は。


「まあ、今はまだお主も小さいし、すぐに力を使いこなすことはできぬだろう。じゃが、力を持つ者は必ず成長し、そして運命に引き寄せられるものじゃよ。お主には、これから多くの試練が待っておるじゃろうて…」


老人は穏やかに笑い、再び俺を布団に包んでくれた。その笑みはどこか温かく、安心感を与えるものだった。


「さあ、今はゆっくり休むがよい。お主が成長するまで、わしが見守ってやるからのぅ。クロノ」


その言葉を最後に、俺の意識はゆっくりと暗闇へと沈んでいった。

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