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083

その後、料理が完成。


牛もも肉、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんなどをじっくり煮込んだビーフシチューと、主食はパン、付け合わせにはニコが用意したサラダだ。


「さあいただいちゃって、おかわりならいくらでもあるからね」


リズムにそう言われ、テーブルに着いたディス、シヴィル、ニコが「いただきます」と両手を合わす。


廃工場への突入作戦の後――。


第三班の班長だったブラッド・オーガニックは死亡。


第二班の班長であり、ブラッドの妻でもあったエヌエーはメディスンの配慮によりアンプリファイア・シティを離れた。


それから才能の追跡官(アビリティトレーサー)第一から第三までの班はメディスンが指揮することになったが。


班員たちの生活は変えることはなく、今まで同じように過ごしている。


そして、班長だったブラッドの死の悲しみを隠すかのように、第三班の面々も普段の通りに振る舞っていた。


だが、その中でも一番付き合いの長いリズムと、ブラッドを目の前で失ったパロマは、あまり悲しみを誤魔化せていなかった。


「そういえば……」


ビーフシチューを頬張りながらシヴィルが口を開く。


「メディスン班長から連絡が来た」


「そう、メディスンさんがシヴィルに連絡なんて珍しいね」


「違う。シヴィルとマローダー、あとリズム姉にも」


「えッ!?」


リズムは、慌てて指に付けたリングタイプの通信機器を確認した。


映し出されるホログラム。


そこには、メディスンからのメッセージが来ていることが表示されている。


「アハハ、料理に夢中で気が付かなかったよ」


「それはしょうがない、とシヴィルは思う」


それから、リズムはメディスンから来たメッセージの内容に目を通した。


その内容とは、明日に行われるアンプリファイア・シティの集会――。


この街の四つの区域マーシャル・エリア、ヴォックス・エリア、オレンジ・エリア、ハイワット・エリアの代表が集まる会議に、リズムも同席するようにとのことだった。


ちなみにシヴィルとマローダー二人は、マーシャル・エリアの代表であるコラス·シンセティックの護衛である。


その内容を口にしたリズムに、ディスが訊ねる。


「あれ? でもリズムって明日は休みじゃなかった?」


「そうだけど、どう見ても重要な集まりみたいだし、断れないよ」


「じゃあ、俺がメディスン班長に言ってあげるよ」


「いやいいから。アタシは出るつもりだから気にしないで。それよりもゴメンね。明日はディスに街を案内してあげるつもりだったのに」


「リズムが出るつもりなら俺に文句はないよ。それで、その集まりってどこでやるの?」


「オレンジ・エリアにある海の見えるお店だって」


「オレンジ・エリアか。たしか港があったエリアだよね。それならよかった」


「……? なにがよかったの?」


「大したことじゃない。こっちの話だから気にしなくていいよ」


ディスの言葉に、小首を傾げるリズム。


隣に座っていたニコも、彼女と同じように首傾げて「メェ?」と鳴いていた。


だが、ディスはそんな彼女たちを無視してビーフシチューに手をつけるのだった。

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