表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
360/415

356

――ディスを残して上層階へと向かうパロマとブルドラ。


作業用エレベーターに乗り込り、パロマの持つマシーナリーウイルスの能力――。


特殊な人間同士の意思の疎通を可能(かのう)にする力――Personal link(パーソナルリンク)通称P-LINKを使ってリズムの居場所を見つけ出す。


そこには、リズムと共にラウドのことも感じるようで、パロマはニコがいつの間にか合流していたことを知った。


「あの電気羊め、こんな状況で勝手に、うッ!?」


「どうしたんだパロマッ!?」


「この感じ……。アバロン少佐が戦っている……。相手は……ドクター·ジェーシーだ……」


パロマはP-LINKでアバロンとジェーシーの思念を感じ取り、その表情を歪めていた。


だが、次第に薄れていくアバロンの思念から、パロマは彼が破れたことを察する。


そんな彼女の表情からブルドラも理解した。


あれだけ強かったアバロンですら、DA-2という身体を得たドクター·ジェーシーには敵わなかったのだと。


そしてエレベーターが止まり、二人はリズムがいるフロア――。


アバロンとジェーシーがいると思われる場所へと辿り着いた。


「……臆してるときではない。行くぞ、ブルドラッ!」


「うん、僕らはまだやれるッ!」


フロアの廊下を駆け出すパロマとブルドラ。


これまでの戦いですでに身体は傷だらけで、しかも先ほどやられたばかりの相手に再び挑むなど自殺行為でしかない。


さらに武器――。


銃剣付き拳銃――バヨネット·スローターも軍刀――夕華丸(ゆうかまる)もない。


せいぜい、ブルドラが渡していた無針注射器――ハイジェッター。


ブルドラが電子ドラッグを使って作り出した神経拡張剤の入った鉄砲注射くらいだ。


これを打たれた者は脳神経が拡張され、周囲の感覚と共感――入って来る情報と強制的に繋がれる。


サイバースペースで常に街中と繋がっているジェーシーの場合なら、そのあまりの情報量に脳が耐えきれず、やがて廃人と化す。


ドクター·ジェーシーの秘密を知ったブルドラが、彼女への対策として仲間に渡していたもの。


これをジェーシーに注入さえすれば、彼女を倒せる可能性は高いが。


さすがに素手でDA-2の身体となったジェーシーと渡り合うことは不可能に近い。


ハイジェッターをその身体に打つ前に殺されるだろう。


だが、二人はそれでも戦うつもりだ。


それは、この街に来てからできた繋がりや因縁――。


そのすべてと決着をつけるために。


「次の角を曲がれば奴がいる。気を付けろよ」


「言われなくても感じてるよ」


「私が前に出る。ブルドラはその間にリズムたちを頼むぞ」


「了解。ニコに二人を任せたら僕もすぐに戦うッ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ