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――メディスンたちがリズムらと合流する少し前。


四階では、タイニーテラーが軍警察署内にあるサーバールームへと来ていた。


殺風景な室内には、よくあるコンソールが見えるだけで他にモニターも装置らしきものも何もない。


だがタイニーテラーが指を配線へと変えてコンソールに繋ぐと、それがインターフェースとなり、彼の目の前にホログラムによるモニターが大量に現れる。


「聞いていた通り、オレの義体なら認証なしで繋げるな」


タイニーテラーはそう言いながら大量に現れたホログラムに手を伸ばし、それらを操作していく。


その素早い両手の動きは、まるで激しい交響曲へ手を振るうクラシック指揮者のようだ。


「フン、フン、フ~ン♪」


鼻歌交じりにタイニーテラーが手を動かすと、次々に爆発音が鳴り響き始める。


前もって爆弾でも仕掛けていたのか。


それがどうして軍警察署内にあるサーバールームから起動させることができるかはタイニーテラーにしかわからないが、彼はご機嫌で署内を爆破していく。


「よし、制限時間はセットしたし、あとは時間内にオレがメディスンを殺せれば、それで終わりだ」


タイニーテラーはそうホログラムに向かって言うと、付けていた腕章を腕ごと力強く掴んだ。


そして、ホログラムに映る監視カメラの映像を見て微笑む。


「殺したくねぇのが何人かいるなぁ。ツギハギ顔の小僧とシヴィル·エレクトロハーモニー。あと、この紫頭の小僧も骨がある。……残念だぜ」


そう言うと、タイニーテラーは右足を上げて床を踏みつけた。


その衝撃でサーバールームの床が破壊され、彼は三階へと着地。


そこからそのやり方で、再び床を踏みつけてメディスンたちがいる一階へと向かった。


――食堂では、ハイファとライザーを拘束したディスとムドも、署内の爆発に気が付いていた。


二人はすぐにリズムたちと合流しようしたが――。


「ムド、気を付けて。天井が崩れる」


「なにッ!?」


爆破の衝撃で食堂の天井が崩れ始める。


ムドはすぐに拘束したハイファとライザーのもとへ走った。


それを見たディスは、不可解そうな顔をして声をかける。


「何してるの? 今はそんな奴らよりもリズムたちのところへ行かないと」


「うっせぇなッ! わかってんよそんなこたぁよッ! でも、このまま放っておいたらこいつらが死んじまうだろうッ!?」


「……別にいいじゃないか。そいつらは敵だ。しかもリズムを傷つけたクズどもだよ」


「ああぁぁぁッ! リズムリズムリズムって、さっきからうるせぇんだよッ! お前は先に行ってろ! オレはこいつらを担いでいく!」


「あ、そう。なら、先に行くよ」


ディスはそう言うと食堂を出て行った。


残されたムドは、ハイファとライザーの身体を引きずりながら、崩れ落ちる天井から二人の身を守ろうとするのだった。

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