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タイニーテラーは何を思ったのか。


シヴィルと会話をしようと声をかけた。


その言葉を聞いたメディスンが声を張り上げる。


「耳を貸すなシヴィル! お前の戦意を削ごうとする作戦だッ!」


メディスンが叫んだ。


彼に続いてニコも大きく鳴いていた。


彼らの声を聞きながら、シヴィルはタイニーテラーの目の前に立っていた。


そして興味を持ったのか、彼女は手を出さずに、タイニーテラーが口を開くのを待っている。


「聞いてくれるか? なら、話をさせてもらうぜ」


それからタイニーテラーは話を始めた。


彼がまずは口にしたのは連合国のことだ。


連合国は世界を平和にしたつもりなのかもしれないが。


実際には、この街――アンプリファイア・シティのようなところはいくらでもある。


そして、これからもこの街のような犯罪都市は生まれていく。


それは、連合国の上層部が特殊能力者を疎ましく思っているからだと、タイニーテラーは言う。


「お前らも同じだよ。連合国の連中からすれば、才能の追跡官(アビリティトレーサー)と逃亡した特殊能力者の差は、言うことを聞くか聞かないかだ。ホントは危険分子として、さっさと始末したくてしょうがないんだよ」


「うん、シヴィルは知ってる。だから連合国は嫌い」


「嫌いなのに言うことを聞いてんのかよ? 何か理由があんなら相談に乗るぜ。オレならきっと力になれる」


「なら、シヴィルがこれまで殺した人たちを全員生き返らせて。おじさんにそれができるなら、シヴィルは才能の追跡官(アビリティトレーサー)をやめてもいい」


「……お前が殺してきた人間と、お前が連合国の犬になっていることがなんで繋がってんだ?」


「それは……他人に話すようなことじゃない。……装甲(アーマード)


シヴィルは解いていた機械化を再び発動させる。


彼女の握った拳――その腕が、メキメキと音を立てて白い鎧甲冑のような装甲で覆われていく。


「おじさんは、なんで連合国を嫌うの?」


右手腕を装甲(アーマード)し、今度はシヴィルがタイニーテラーに訊ねた。


何故そこまで連合国を嫌うのか。


特殊能力者でもないなら、前の戦争に負けた逆恨みか何かなのか。


シヴィルは淡々と質問をぶつけていった。


「そりゃお前、あれだよ」


タイニーテラーが両腕の仕込み刀を構えると、その肩と背中、両足からも刃が現れる。


「オレは自分がやりたいことをやってるだけだ。連合国はたしかに嫌いだが、それだけで命が懸けられるかよ」


そして彼は口角を上げ、シヴィルを見据えながら言葉を続けた。


「なんでもそうさ! 殺したいから人を殺す! 助けたいから人を助ける! 連合国をぶっ壊したいからぶっ壊す! オレンジ・エリアを守りたいから守る! そこに理由なんてねぇ! オレはオレのやりたいことに命を懸けてんだよッ!」


タイニーテラーの言葉を聞き、シヴィルの少し憂いが帯びていた表情が、もとの無愛想なものへと戻っていった。


そんなシヴィルの顔を見て、タイニーテラーが言う。


「今はメディスンを殺す。昔からやりたかったことの一つだからな。お前とは友だちになれると思ってたんだが、残念だよ、お嬢ちゃん」

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