表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/415

128

そこでプツンと放送は途切れた。


リズムとパロマは慌てて制服に着替え、第三班の部屋へと向かう。


「タイニーテラーさんがなんで本部にいるの? それにパーティーって?」


「私が知ってるはずないだろうが。ともかく今はメディスン班長に連絡をして、他の班員たちと合流するぞ。パーティーなんて嫌な予感しかしないからな」


パロマはそう答えると、リズムと共に廊下を走りながら、指に付けていたリングタイプの通信機器でメディスンへ連絡。


しかし、ノイズが入って通信ができない。


故障なのかとリズムもやってみるが、彼女の通信機器もノイズを拾うばかりでメディスンにも他の班員たちにも連絡ができなかった。


「くッ、状況から考えて、タイニーテラーが連絡を取れないようにしているのだろうな」


「ジャミングってヤツ? でもさ、なんでそんなことするんだろう? あの人、帝国の情報を教えてくれたり、アタシたちに協力してくれてたのに?」


「だから私が知るかと言っただろう。さっきも言ったが、ともかく今は他の班員たちと合流するんだ」


そして、二人はエレベーターへと向かった。


だが、どうやら電源が落とされているようで、動かすことができない。


ランニング後でそれなりに疲れていたものの、二人は迷わず階段のある通路へ。


トレーニング施設のある一階から、第三班の部屋がある三階へと向かおうとする。


「今日って第二班が休みだっけ?」


「あぁ、第二班は非番で第一班は今朝からオレンジ·エリアへと向かった。出勤しているのは私たち第三班とメディスン班長、それから数人の職員だけのはずだ」


「じゃあ、むしろ安全を考えたら職員さんたちのところへ行ったほうがいいんじゃない?」


「言われてみればそうだ。この状況じゃ警備ドローンも期待できそうにないしな。よし、階段はやめて受付のほうへ行ってみよう」


二人は三階へ行くのを止め、署内の職員がいる場所を回って行くことにした。


タイニーテラーの言っていたパーティーが何なのかはよくわからないが。


他の班員たちならば、もし襲われたとしても自分の身ぐらいは守れる。


だが、職員たちは何の能力もない普通の人間だ。


同じ無能力者でもメディスンは歴戦の兵士だが、職員たちに戦闘能力は一切ない。


そういうこともあり、最悪の事態を想定して保護するなり避難させるなりするべきだろうと、二人は考えたのだ。


「トレーニングルームと大浴場には誰もいなかったな」


「うん、とりあえず受付のほうへ行ってみよう」


才能の追跡官(アビリティトレーサー)の本部であるビルは、最上階が四階で、第一班は一階、第二班は二階といった感じで各フロアにそれぞれの班の仕事部屋がある。


四階には局長室や会議室、さらにビル内のネットワークやドローンを操作するためのサーバールーム。


一階には大浴場と食堂、トレーニングルームと訓練場と、寝泊まりできる宿泊施設もある。


基本的にすべて自動化(オートメイション)されているが、人の手が必要な仕事もあり、十人ばかりの職員が雇われている。


職員の多くは受付にいることが多い。


それと、リズムたちは出入り口に行って外へ出られるかの確認もしようとしていた。


「うッ!? この感じは……」


「どうしたの、パロマ?」


「どうやら嫌な予感は的中したらしい……。あいつらが、私たちを襲った奴らがここへ来ているッ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ