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恋をする  作者: 喜楽直人
8/26

可愛くて、つい*



 地元の神社の夏祭り。

 屋台は自治体の子供会が執り行っていて、正直パッとしないものばかりだ。

 夜も八時半には終わってしまう。


 小学生の頃ならいざ知らず、中学生になった今となっては友達たちと誘い合う気にもならない。


 けれども、最後の15分だけ上がる花火はそれなりに楽しみな訳で。

 今年も観に行くことになった。


 隣に住んでる、幼馴染みと。


 特に待ち合わせた訳ではない。

 今日の帰りに学校の廊下ですれ違った時、「今年も花火観に行く?」「行くよ」と世間話をしただけだ。


 そうして今、祭りに行こうと家を出たところで、その幼馴染みが立っていた。


 紺地に白い朝顔の浴衣を着ている。

 普段はふたつに結んでいるだけの髪をまとめ上げているのが、妙に大人っぽい。


 いや、かわいい。すごく似合ってて、目のやり場に、困る。


「…………」


「……なによ、何か言いたいことがあるなら言えば?」


 いつもの突っかかってくるような言葉さえ、可愛く聞こえて、本当に困る。 


「浴衣、可愛い」


 お陰で、脳内ダダ洩れ状態でそのまんま口に出してしまった。

 しかも片言か。だせぇな、俺。


「浴衣が可愛いの?」


 ちょっとムッとした声すら、、可愛い。

 どうなってんの、お前。そんなキャラじゃないだろ。

 もっとこうさ、ツンツンしてんじゃん。いつも。


「着ている君が可愛いです!!!」

「よし!」


 満足げに笑った君が、めちゃくちゃ可愛い。


「それでさ」


 つい浮かれて、すっと耳に寄せ問い掛ける。


「シね★」


 ぼかっと腹にパンチを喰らった。


 予想通りの反応に、笑う。

 真っ赤になって怒る君は、更に可愛い。


 たぶんきっと、夏が終わっても、ずっと可愛い。


 どうしよう。こんな変態な言葉で、自分の心に気が付いてしまった。



『ねぇ、それでさ。それってやっぱり履いてねぇの?』




#ノーパンの日


8月20日はパンツゼロでノーパンの日なんですってー(笑)



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