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恋をする  作者: 喜楽直人
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『あっ、流れ星』


 明日、取引先でつかう予定の資料に、数字が合っていない箇所を発見した。

 顔を真っ青にして焦る後輩に、「手伝いはいる? でも、今日の内に気が付いてよかったよ」と声を掛けてやったのは我ながらナイスフォローだと思う。


 上司から「他にもミスがあるかもしれないから全部細かくチェックして」という指示にはうんざりしたけど。


 価格改定に係わる説明は大切だ。

 なにしろ高騰を続ける原価分をなんとか飲みこんで貰う為には、旧製品との性能比較データ、新製品の性能のすばらしさを余すところなく披露できなくてはならない。


 決して、旧製品の方が性能が出ているというデータなど添付してはならないのだ。ありえないし。

 技術部に殺される。


 去年、一昨年の分の資料まで引っ張り出しての確認作業は思った以上に面倒臭くて、張本人である後輩と分け合って作業してもやっぱり残業になった。


 それでも、なんとか終電には間に合いそうだと後輩を家に帰してやれることにホッとしたところだった。


「あっ、流れ星」


 あまりにも呑気な声に眉間へ皺がよった。


「ね、ね! 今の見ました? あの流れ星、願い事が三回言えちゃいそうなくらい長い尾でしたね。もうちょっと早く気が付いていればなー」


 ニコニコ笑う後輩の頭を、ファイルでぽこんと叩いた。


「いたっ☆」


「おい、誰のせいで残業してると思ってる」

「私、ですね?」


 えへへと笑う顔に、もうずっと惚れている。




※結婚前、夏巳ちゃんと誠さんは同じ職場にいました。




喜楽直人さんは『あっ、流れ星』をお題に、140字でSSを書いてください。

#shindanmaker


お題ガチャにいわれたので書いてみました。

ポストした時は一応ちゃんと140字でした。

なろうでは文字数不足で投稿できないので増量してあります。

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