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悪魔の日
「やめて。近寄らないで…」
「くくくくく。そういうなよぅ」
妖しい光を帯びて、瞳が輝く。
悪魔の手口というのはいつも巧妙だ。
激しい誘惑で、正しくあろうとする心を揺さぶる。
「さぁ、一緒に地獄へ堕ちよう?」
「やめてぇえぇぇ! ダイエット中なのよ。明後日会社の健康診断で体重計に乗るのにぃ」
かぷっ
差し出されたスプーンを、ついに頬張る。
「本日までの期間限定販売だったんだよ。数量も限定でさ、なかなか買えなかったんだ、このチョコプリン」
「悔しい。美味しい。悪魔めぇ」
夫がくれたひと口では我慢なんかできなくって、結局一個丸々食べました。
「カロリーって、旨い」
#悪魔の日 #140字小説
6月6日なのです




