密室の館の連続殺人
俺は探偵だ。
依頼を受けて森の奥にある謎の洋館に来ている。
この館で連続殺人が行われるとの予告がなされた。
それを止めるのが俺の役目だ。
「では、案内をお願いします」
俺は爆乳美女のステイシーに声をかける。
彼女が今回の依頼人。
「どうぞ、こちらへ」
ステイシーはゆっくりと玄関の扉を開ける。
中に入ると、うむ。
それっぽい洋館のエントランスだ。
雰囲気あるなー!
「皆様は?」
「大ホールにてお待ちです」
ステイシーは大ホールへ続く扉を開ける。
するとそこには――。
血を吐いてテーブルに伏せる男性!
背中にナイフが刺さって床に倒れる女性!
ツボに頭から突っ込んでスケキヨ状態の人!
縄で縛られて吊るされた全裸のおっさん(死)!
「みんな死んでんじゃねぇかああああ!」
「あっ、ちなみに犯人は私です」
「お前かああああ!」
あっさり白状したステイシー。
「あの……どうやって?」
「一人ずつこの部屋へ呼んで殺しました。
まず、女の人をナイフでグサリ。
執事を呼び出して驚いている隙に後ろから絞殺。
死体はそのままツボの中へ。
男性はあらかじめ毒を飲ませて、
ここの部屋で死ぬように時間調整しました」
「器用だな⁉ 吊るされてるおっさんは⁉」
「一人で行為を楽しんで勝手に死んでました」
「おっさああああああん!」
一瞬でトリックも判明した。
「まぁいい、お前を連れて帰って警察に突き出す」
「ええ、どうぞ」
「……?」
やけに落ち着いたステイシーに疑問を感じながらも、俺は洋館を出て……。
「あっ……あれ?」
入り口には鍵がかかっていた。
「開かないんだけど?」
「だってこの洋館、密室ですから。
扉はおろか、窓も勝手口も全部開きません」
「え? 密室要素そこっ⁉」
うー! あー!
大ホールの方から変な声が聞こえる。
バターン!
勢いよく開かれた扉からは、元気に動くさっきの死体たち!
「え? なんで⁉」
「これ、パニックジャンルですよ?
ゾンビに決まってるじゃないですかぁ」
「ええっ⁉」
「さぁ、ゲームの始まりです。
私を連れて無事にこの館から脱出してください」
そう言ってステイシーは俺のほほにキスをした。
それから俺は謎のエンブレムを集めたり、石像を押してパズルを解いたり、地下の謎施設で巨大モンスターを倒したりと、八面六臂の大活躍を見せた。
最後には都合よく助けに現れたヘリに乗って館を脱出。
「愛してるわ……探偵さん」
「ああ、俺の方こそ愛している」
二人は幸せなキスをしてハッピーエンド。
めでたし、めでたし。