第一章【鼻ぽん】
3分程で鼻血は止まったが、私の中では5年ぐらい掛かった気がした
「もう大丈夫?」
「は、はひ」
「良かった!」
カイホ先輩の破壊力抜群の笑顔で、もう1回鼻血が出ないかヒヤヒヤした私は
頂いたティッシュを丸めて、鼻にポンと詰めてしまった
「っぶ!あはははは」
そんな私を見て、この世で1番面白いものを見たぐらいの勢いで、先輩は笑い始めた
「ず、ずみません」
「あはははは!俺、鼻ポンしてる女の子初めて見たよ!」
きっとみんな
こんな国宝級イケメンの前だと、少しでも可愛くいたいよね
分かる
分かるよ?
でも私はもう鼻血をぶちまける訳にはいかないし
逆に絶対もう二度と接点がないって分かるから
潔くどんな姿でも見せられちゃうってもんよ!
カイホ先輩は一通り笑い終わると
「お礼したいからうちに来ない?」
ん?先輩は何か魔法の呪文を唱えたようだ
生憎だがしかし、私の知ってる呪文はホイミぐらいだ
弟がゲームをしながらよく叫んでた
あ、ベホイミも知ってるな…
「聞いてる?」
「え!?すみません聞いてませんでした!」
「え!?あはははは!いや、お礼したいからうちに来ないかなって。うちが嫌なら、近くのファミレスでもいいよ?」
「ファミマ…?」
「ファミチキ食べる?おごるよ!」
「は!?ち、違いま…!」
カイホ先輩は私の腕を掴んで、ズンズン歩き始めた
私の脳細胞がほぼ死滅しているせいで
私には先輩の話している言葉の意味が全く理解出来なかった
頭真っ白のまま
私はただただ手を引かれ歩いていた
ベホイミ
ベホイミ!
ベホイミーーーー!
私の脳細胞生き返れーーーー!!!