第一章【告白】
「おはよ!」
私を見つけると、カイホ先輩はキラキラ笑顔で声を掛けてきた
「お、おはようございます…?」
なんで?
なんでここに?
私クラス教えたっけ!?
「マホの事ならなんでも知ってるよ」
カイホ先輩がゆっくり体を折り曲げ、耳元で囁いてくる
『きゃあぁぁぁぁぁ』
周りにいた女子から悲鳴に似た歓声が上がる
私の顔は一瞬でゆでダコみたいに茹で上がり
また心臓がドクドク早くなった
ダメだ
昨日から確実に寿命が縮んでる
早死してしまう
「昨日は急にごめんね?」
体を離した先輩は、悲しそうな顔で謝ってきた
「い、いえこちらこそ急に出てしまってそのあのほんとにまことに申し訳ごじゃりませんでした!」
とりあえずこのイケメンが近くにいると
私の脳細胞どころか身体中の細胞が
緊張から動かなくなるらしい
「いや、昨日は俺が悪かった。急にごめんね。…それでね、マホ。まずは付き合おう?」
『きゃあぁぁぁぁぁ!』
今度は間違いなく悲鳴だ
うん、そりゃそうだ
このイケメン、何か血迷った事を言ったからな
「は…?え?え?え?」
「俺の彼女になって。…いや?」
「イヤだなんてそんな!滅相もございません!」
「じゃあ決まりだね!」
次の瞬間…
公衆の面前で
私のファーストキスが
奪われたのだった