捏造の王国 その40 国会開かず秋休み!支持率爆下げ阻止のため国会開かない総理に非難ごうごう
新型肺炎ウイルスの蔓延により、恒例のお盆帰省、いわゆる都市圏から田舎への民族大移動が自粛中のニホン国。官邸でもガース長官らは出勤していたが、都内ホテルで療養中のアベノ総理がトンデモナイコトを言い出した!夏休みがないも同然だから臨時国会も開かないで秋休みを作ろうというのだ!
梅雨明けすぐに連日の暑さが続くニホン国。新型肺炎ウイルスのために毎年恒例の盆休み大移動も自粛のお願いだののため、ほぼ行われないという異様な夏に、ここ官邸でも不満、不安、不平が満載だった。
「ああ、くそ、トメさんにまで嫌味を言われるとは。“その、郷里に帰っていいんですかいけないんですか。お盆休みもあるんだかないんだか。孫も休みが…”。いつもは挨拶と用件をテキパキいうだけのあの超優秀官邸の清掃人トメさんにまで…」
と嘆くのはニホン国の重要閣僚であるガース長官。冷やした緑茶をガラス器に注ぎながら、ブツブツと愚痴を言い続ける。
「勤勉を絵にかいたようなトメさんでさえ、今度の休みが?な状態には疑問をもっているのか。まあ、小中学生も休み短縮で、盆の規制は自粛なのに、トラベルキャンペーンを推進とは。そのうえ、国会開け問われているのに買春、女体盛り疑惑のニチムラ大臣がカッコつけ発言を毎回やるだけ。しかも他の大臣、官僚、専門家ということが矛盾してるからなあ」
美しい黄緑色を楽しむ暇もなく、ぐっと冷えた緑茶をあおるガース長官。
「ああ、しかし肺炎ウイルスは一向に収束が見えない。それどころか首都をはじめ全国で感染者が爆発的に増えている。しかし、いまさら緊急事態宣言など出したら、補償ができん。ニチムラ大臣は補償なしで休業要請するなどというが、そんなことをしたら国民いや選挙民、と、特に支持者がどういうか。自分の支持基盤には影響ないと思ってるのか!」
ガース長官が叫ぶのも当然。飲食業、旅行業など直接影響が出ているところはもちろん、その業界と取引のあるサービス業、卸売業はもちろん、土木業なども売上が爆下げしているのだ。隣国他からの輸入が激減するは、打ち合わせはやりにくいで、工事もやれない。そもそも新規工事の受注もじわじわと下がっている。他の業種も多かれ少なかれ影響はでているのだ。
「ああ、しかし感染を抑えるためには検査を徹底し、軽症でも感染者を隔離するしかないんだが。生活の補償もないのに大人しく軟禁されている奴はいないだろう。現に療養施設から逃走者が出ているのだ。宣言していない今でも失業者が何十万とか、倒産に廃業の何万もだ。これで宣言を出したらどうなる、補償がなければ経済が、しかし検査を増やすのには厚労省と感染研が渋るし、こんなときまで利権なのか、自分たちだって死ぬようなことになるかもしれんのに」
と緑茶をガブ飲みしつつ嘆き続けるガース長官のもとに、更なる嫌な報告が届いた。
「ちょ、長官、大変です!アベノ総理が」
「なんだね、ニシニシムラ副長官、総理がどうしたのかね。会食の金でも足りなくなったか」
「そ、それが夏休みにゴルフ出来ないから、秋休み作ろうって」
「な、なんだどー!」
と思わず高級ガラス湯飲みを落としそうになるガース長官であった。
「総理、秋休みというのはちょっと」
「だって、夏にずっとこのくそ暑い東京なんだよ。しかも会見もあるし」
そういっても、ほとんどシブヤクの私邸、今は療養先の都内ホテルでごろごろしてて、週に数時間ぐらいしか官邸にいないだろ、いるのは私たちだーと、ガース長官心で叫んだが、実際に口にしたのは別の言葉だった。
「しかし、国会も開かず秋休みは無理です。野党から国会開けとの要求はすごいですし、新型肺炎ウイルスの感染拡大を防ぐためにもと与党内からも」
「でも、どうせ僕らはウイルスにかからないだろ。こうやって距離も保ってるしさ、僕もマスク変えたし、運転手付きの車に乗って、感染者とはほとんど接触ないし」
とは、限らないですよ、会食してる店の従業員とか、清掃員とか、総理の家のお手伝いさんの関係者がかかってるかもしれないんですよ!と再びガース長官心の叫び。
「ですが、全国的に感染拡大、なんらかの手を打たなければ不味い、審議を、ですね」
「えー、ニチムラ大臣が毎日何かやってるんだろう?」
それが言うだけで効果なし、いや逆に国民の神経を逆なでしてるから、支持率が御用新聞三径、黄泉瓜新聞でさえ40%切ってるんですがーと内心叫びまくるガース長官。
そう、いかに御用新聞、太鼓持ち芸人、忖度学者とはいえ、新型肺炎ウイルスは恐ろしいのだ。中には自身が重症化しやすいとわかっているからこそ、恐怖を克服するためか、タダノ風邪と盲信する自称実業家などもいるが、風邪で生活に支障が出るような後遺症は残らない。軽症でも発症すればかなりのダメージをうけるからこそ、世界中が封じ込めに躍起になっているのである。もちろんニホン政府も全力で対応にあたるべきだが、様々な利権が飛び交っているうえ、論理的、批判的、科学的な思考のできる閣僚はほとんどおらず、官僚も理系的、医学的知識不足で右往左往。オーサカの首長など科学的根拠のない妄言を発言し続けたため、叩かれまくっている。そのうえ全国第二位の感染者をだし、感染者率は首都より多くなるという、不名誉記録で首都に勝って?いるのである。この状況で、さすがに政府ヨイショ、アベノ総理すりよりの連中も、まともな感染防止政策をしてくれと言い出した。無関心市民もやはり無能総理などに任していたら自己の生命の危機とにわかに政治に関心を持ち出した。さらに経済のダダ下がりどころか底抜け。ケイダンレンだのは景気の底はもう打ったなどといっているが、稼ぎ時の夏に稼げなかった飲食、旅行などの業種で倒産、廃業が相次ぐのは間違いない。そういった不安もあって国会開かず雲隠れの政権、特に総理その人への不満爆発。やはり失業や死への恐怖は強い、いまだアベノ総理支持は盲信者だけとなり、支持率爆下げ更新中の事態となっているのである。しかし、総理はこの超非常事態が理解できず、勝手なことばかり、どうしたものか…
「総理、ニチムラ大臣ばかりが目立っておりますが、それでよろしいのですか」
ガース長官は方針を変えた。
「え、っと。も、もしかして彼の評判上がってるの?」
まったく上がってない、だが、総理は食いついてきた、この手でいこう、とガース長官はなおも続けた。
「それはわかりませんが、毎日会見をひらいていれば国民に覚えてもらえますな。厚労大臣などはすでに存在を忘れられてますし」
「そ、それなら、ぼ、僕ももっと出ないとだめってことかな」
「そうですね、夏休み短縮で嘆く子供たちに“総理は休みなしで毎日出てるんだよ、君たちも頑張れ”とでもいえば、子供も親も喜ぶかもしれません」
「そ、それいいね。休みなしで頑張る僕、まさにトップだよね。支持率もまた上がるかな。今回は黙ってた方が不利ってことか。それなら、やっぱり国会開いた方がいいかな」
「まあ、それは、その」
毎日会見、国会開催しましょうと暗にいったものの、ロクな策がなく、アベノ総理がアホな答弁を繰り返すことになり支持率爆下げどころか、革命が起こりかねないかもと不安になってきた、ガース長官であった。
どこぞの国では、ウイルスの封じ込めに大失敗。首長らが根拠もロクにない研究段階の結果を先走って、帰って現場に大迷惑をかけたり、グッズだのカタカナ標語で乱発するという異様な事態になっているようですが。夏休み短縮され、ロクに外遊びもできない子供たちはどう考えるんでしょうねえ。こんなアホなことを偉いはずの大人たちがやり、そのツケを今から払わさられるとは。こんな大人ばかりの国では、自国に誇りをもてるどころか、こんな国に生まれたことを相当後悔したくなりそうですなあ。