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ファイル8 功夫壱式 キッド・カーリー
功夫壱式
大陸方面で開発された競技用陸戦。陸戦乗りたちの度胸と技量を競う歴史ある大会で、初参加ながら優勝をした前代未聞の無人機。その功績は功夫壱式の宣伝だけではなく、大陸での無人機開発の大いなる追い風となった。しかし開発者が死亡した今日、それが彼らの意思であったかどうかを知るものは、存在しない。それこそ功夫壱式自身が意思を表明したり、彼と同じ思考を持つものが現れない限り。
キッド・カーリー
大昔のアウトローの名が付けられたこの機体は、その命名ルールを色濃く表している。アウトローの名を冠する機体は、機体自体ではなく運用面に欠陥があり、表舞台に立つことはなかった。キッド・カーリーは高レート機関銃を主武装としていたため、弾薬消費が活躍に比例しなかった。しかし開発から十年後、フロンティア政府がこの機体を権利ごと買い上げ、陸戦を使い略奪を行う蛮族への抑止力として運用を始めた。国家レベルの資金力があり初めて引き金を引くことが出来るその機体が、政府機能が悉く弱った現在をどう思うかは、私も気になるところだ。




