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ファイル5 焔の系譜1
焔一式
対施設攻略兵器として開発された有人陸上戦闘機、そのネーム機である。陸戦同士の戦闘には不向きだが、右腕に搭載されたグラップルと左腕の火炎放射器を用いることで陸上施設の攻略に特化した珍しい機体である。下半身に重心を置いた巨体はその名の通り、ボディーを淡い赤で一貫しているため、施設攻略機体全般を赤、戦闘重視の機体を青という通称表現が関係者の中で浸透している。
焔二式
ニーズに振り回された不幸な機体である。二式計画段階では、一式がやっと市場に出回り始めた頃であった。施設攻略に苦労していた顧客たちに一式が渡ると、戦況が大きく変化した。そうすれば当然、性能の良い一式を求めだす。しかし既に二式の開発は終了していた。
結果は施設攻略と戦闘、両方をこなそうとして中途半端になってしまっていた。重く安定性のある赤いボディーは細く、スピードに重点を置くスタイルになったが、最高速度は汎用性を重視したヴリュンヒルド八型の二分の一と、目も当てられない有様である。
この機体により、設計、制作を担った紅重工は衰退の一途を辿る。




