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スタート!



「なーなー、これっていつまで続けるんだ?」

「僕が知りたいですよ」

 また、死んだ。殺された。



「いい加減にして。巻き込まれるこっちの身にもなってよ」

「ごめん」

 また殺された。また死んだ。



「……先輩、あいつを殺した方が早いんじゃないんですか?」

「駄目だってば」

 あれから、もう何度殺された。何回殺されただろう。



「あは、ごめんね。ついやっちゃった」

 そうやって謝られたのも、もう数え切れないぐらいだ。



 僕は、あれから舞子さんに殺され続けた。

 誰も死なないように、何も起きないようにしたいと言っておきながら、こうして死に続ける。一番の問題点は僕なのかもしれない。チャレンジにおいて邪魔なのは、僕なのかもしれない。

 それでも、諦めるつもりはなかった。舞子さんとは会話が成り立っているし、かなり危ういところではあるが意思の疎通も出来ている。説得が百パーセント無理な訳ではないと思うし、いつかはループに飽きて向こうからクリアしたいと言ってくるかもしれない。

 だけど、いつかがいつ来るのかが分からない。

 そうしている内、明石さんと七篠との会話が減っていく。と言うか、今はほぼ皆無だ。何もない。チャレンジ中は皆が示し合わせたかのように出会わないし、出会ったとして顔を合わさない。一切口を開かない。それよりも酷いのは死後の世界である。強制的に三人が集まるのだが、死神さんの乾いた笑いと僕の安っぽい謝罪の言葉しか音はない。それ以外には、もう、本当に。



「やめにしねーか?」

 死神さんからそんな言葉を聞いたのは、僕が舞子さんに殺されてから、えーと……良いや、覚えていない。

 とにかく、僕は死神さんから久しぶりに話し掛けられた。

「何をですか?」

 彼女がこうして話を持ち掛けたのは、珍しく他の二人が眠ったままだからだろう。とてもじゃないが、あの雰囲気で何か喋ろうとは思えないだろうから。

「チャレンジをだよ。正直きちーんだよな、オレはさ、こーゆーの苦手だからよ」

「諦めろって事ですか?」

「諦めろってのはチャレンジの事じゃなくてよ、あのプッツン女の事だよ。あいつさえ無視しちまえばクリアなんて楽勝なんだ。なのに、お前は」

 それは出来ない。僕にとって舞子さんを諦めると言うのはチャレンジを諦める事に他ならないからだ。

「もーな、とっととクリアして欲しいんだよ。お前はどーか知らないけどさ、オレはこの状況にそろそろ耐えられなくなりそーなんだ」

「や、僕だってかなりきついんですけど」

「馬鹿が。きついと思ってんならこんな事するかよ」

 死神さんは胡坐をかき、じっと睨んでくる(恐らく)。

「気分的にはよ、破裂寸前の風船を見てる感じなんだわ。別によ、見てるだけなら楽しいに決まってら。問題なのは、オレもその風船の中にいるって事だ。なあ、破裂するまでどれくらい掛かる? このままじゃマジにどーしよーもなくなるぜ」

「でも、僕は……」

「でもじゃねーよクソッタレ。どーするかって聞いてんだ。そんでよ、ここが勝負の分かれ目って奴だ。今までの比じゃねーぞ、言っとくが、お前が思ってる以上に今はやべーんだ」

 そんな事言われなくても分かっている。そんな事言われても、困るに決まっている。

「……んな目ぇすんじゃねーよ。分かってるよ、てめーのやりたい事はな。だけどよ、てめーのわがまま通すんなら別のもんも遠さなきゃなんねー」

「別の……?」

「オレの口からは言えねーし、言うつもりもねー。お前が気付かなきゃなんねー事だかんな」

 蜘蛛の糸が垂らされたと思ったら、神様とやらはすぐにその糸を引き上げてしまった。

「それに気付けば、こんな事は終わるんですか?」

「つーか、チャレンジが終わるだろーな」

「え?」

「おいおい、オレを誰だと思ってやがんだ。オレはな、チャレンジ中はずっとてめーらを見てたんだぞ。第三者、神様視点って奴でな。そんなオレが気付かない筈ねーだろが」

 チャレンジが、終わる? そんな大事なものに僕が気付かなかったとでも言うのか? 馬鹿な、有り得ない……。

「せめてヒントだけでも」

「駄目だ。言ったろ、てめーで気付けってよ」

「僕が気付かなきゃ、チャレンジは終わらないんですよ?」

「最近はそーゆーのもアリかなーとか思ってる」

 頼むから思わないでくれ。助けてあげてくれ。

「つーか、勘違いしてるみたいだけどよ。チャレンジってのはあくまでてめー自身の問題なんだからな、お前が気付かなきゃ意味がねーし、それこそオレが答えを教えたところで上手く行く筈がねーのさ」

「でも……」

「考えろ。考えまくれ。パッツンとチビの機嫌を直して、プッツン女をどーにかしてチャレンジをクリアする、一発逆転の方法ってのをな」

 そんな方法、本当に存在するのだろうか。もしかしたら気休めかもしれない。もうクリアなんて絶対無理な詰みの状況で、後戻り出来なくて死神さんは僕を慰めようとしているのかもしれない。確率はゼロじゃない。

「もう一度、やらせてください」

「あいよ。ま、頑張んな」

 それでも、諦められないよな、やっぱり。



 目覚まし時計の鳴る五分前に目が覚める。いつもの事だ。

 そう、いつもの事だ。

 体を起こして、学校に行く準備をして、家を出る。

 だけど、ここからは、今回からはいつも通りいくとは限らない。

 イレギュラーと出遭った以上、ここからは予定通りには行かない。行く筈がないのだ。

 しかし、鍵は見つけた。と言うよりは、鍵の存在を確認した。死神さんからの情報だが、彼女の言はチャレンジについてのみ信用出来る。僕よりも、明石さんや七篠よりも、誰よりも信じられる。

「……問題は」

 その鍵、チャレンジをクリアする上で僕がやらなければならない事を見つけられるか、だ。



 七篠とは会えず、教室に行っても明石さんには無視される。

「あは、寂しそうだね」

 こうして話し掛けてくるのは舞子さんぐらいのものだ。彼女は明石さんがいるのにも関わらず、僕の近くまで寄ってくる。刺されるとか、そういった危機感はないのだろうか。

「私と会えなかったのがそんなに辛かったのかなー?」

「ま、そんなところだよ」

 自分で殺しておいて、よくもまあ。なんて突っ込みはすまい。しても無駄だろう。

「それよりさ、聞きたい事があるんだけど」

「うんうん、何でも言ってみなさい」

 こうして、僕は舞子さんに相談するのが増えた。明石さんたちとまともに話せるとは思っていないからである。

「僕はどうやったらチャレンジをクリア出来るのかな」

「うーん、難しい質問ですねえ先生」

 舞子さんからの答えは期待していない。気を紛らわせているだけだ。そして、チャレンジの事を隠そうとも思わなくなった。死ぬだの殺すだの、そういったファンタジーな単語であろうと声を潜めようとは思わなくなった。聞かれているとして、誰も本当だろうと思わないし。何より面倒になったのである。

「舞子眞唯子にキスしたらクリア出来るかもしれませんねー」

「何その難易度。インフェルノぐらいあるんじゃないかな?」

 面倒になった原因は舞子さんにある。人のせいにするのはよろしくないが、そうなのだから仕方がない。彼女は不安定なのだ。笑っていたと思ったら、急に泣き出す怒り出す。こうして談笑している間に気が変わって殺されるかもしれない。打開策も解決策も見当たらない今のところ、僕の命は舞子さんの胸三寸なのだ。

「あは、ないない。地球防衛軍で言ったらマザーシップが百機出て来てその後浮遊都市が百回ぐらい出て来るってな感じ」

 インポッシブル!

「でもでも、もしも本当にそれぐらいしか方法がなかったらどうするの?」

「するかもね」

 でも、あくまで本当にそれが最後の手段ならばの話だ。そんなちんけな方法、陳腐なやり方で解決出来るとは思わない。思いたくない。

 足掻き続けるだけだ。暗中だろうが、模索し続ける。それが僕のやり方だ。



 と、格好付けてはみたものの、びっくりするぐらい何も思い浮かばない。それどころか、一時間目が終わった直後、舞子さんに連れ出された階段の踊り場から突き落とされてまた死後の世界にやってくる始末である。始末に終えないとはこの事か。



「オレはもー何も言わねー、好きにやれ。頑張れな」

 頑張っている人間に頑張れと告げるのは酷だと思う。本当に頑張っていたとして、その人の頑張りが認められていない事になるし、もしも頑張っていなかったのなら、ああ、何と言う皮肉なのだろう。



「早く決めなさいよ」

 いつか呟かれた言葉は、まだ耳に残っている。冷たい眼差しではあったが、あの時の明石さんの声は優しかった。

 ……だが、何を決めれば良いのだろう。チャレンジを? 覚悟を? 何を決めれば良い?



「……答えは出ましたか?」

 いつか囁かれた言葉は、まだ頭に響いている。冷たい口振りではあったが、あの時の七篠の目は優しかった。

 ……だが、答えを出せないでいる。僕はまだ答えどころか、問いすら見つけられないでいるのだ。何に対しての? 何を言えば良い?



 僕は、あれからも舞子さんに殺され続けた。

 誰も死なないように、何も起きないようにしたいと言っておきながら、こうして死に続ける。一番の問題点はやはり僕なのだろう。チャレンジにおいて邪魔なのは、僕なのだ。

 だから、諦めようと思った。



 磨り減った神経。

 萎えていく意思。

 消えて行く希望。

 チャレンジを続ければ続けるほど、分かってくる。きつくなってくる。辛くなってくる。

「………………」

 誰とも目を合わさない。顔を合わさない。会話すらしない。

 ただ、一人で世界に居座り続ける。息をして、生を選択し続ける。

 きつくなる? 辛くなる?

 馬鹿な。馬鹿な話だ。一人でいる事の何が苦しい。今までずっとそうだったじゃないか。今までの自分を否定するつもりか。

「ねえ、諦めたらどうかな?」

「……何を?」

「あは、全部。一人で生きるのって辛いでしょ? 私はね、ずっとそうだったんだ。君に巻き込まれてから、君が気付いてくれるまで、ずっとそうだったの」

「死ねって?」

「うん。生きるのを諦めて。そしたら、君が死んだらチャレンジも終わるんでしょ?」

「終わるよ」

「じゃあ終わって」

 そうか。辛いのも、何もかも僕がチャレンジを諦めさえすれば終わるのか。

「嫌だ」

「あは、どして?」

 どうしてなのか分からない。ただ、僕が諦めたら巻き込まれる人がいる。明石さんと七篠は、一蓮托生運命共同体なのだ。一言だって言葉を交わさず、一秒だって互いの目を合わさない。そんな、空気と空気が触れ合うような薄っぺらい状況だとしても、僕が幾ら嫌われたって、憎まれたって、忘れられたって、忘れてはならない事がある。他ならぬ、僕が、二人を巻き込んだのだ。だから、だから、だから。

「……また、殺しちゃうよ?」

「殺せば? でも、僕は諦めない」

「巻き込まれた私の身にはなってくれないのかな?」

「頭を下げれば許してくれるのかい?」

「あは、知らない」

 思考が、どうにも鈍いな。頭も上手く回ってくれない。

「明石さんたちを見殺しには出来ないのかな?」

「……ああ、そうだろうね」

「本当なら、私もそこにいたのかもね。私も、明石さんたちと同じように、君の隣にいたのかもしれないね」

「いるじゃあないか、すぐ傍に」

「私は君の横に立っているだけ。分からないかな、絶対、君の隣にいられる筈がないんだよ」

 分からないや。

「もうすぐ、学校が終わるね。君は家に帰るの?」

「帰らせてくれるのかい?」

「君次第だよ」

「僕次第、か」

 立ち上がると、体の中に鉛でも詰められているのかと錯覚してしまう。

「殺してくれないか?」

 頬を思い切り殴り抜かれた。床に尻餅をつき、僕はそのままうな垂れる。舞子さんは教室を出て行き、やがて喧騒が戻ってきた。

「……馬鹿じゃないの」

 七時間目、まだ授業をしていると言うのに意味の分からない事を二人で話す。周りにはクラスメートがいるのにも関わらず、何にも関係していないと言い張るように周囲を無視し続けて、挙句殴られて倒れ込む。

 ああ、しかし、明石さんの声を聞いたのはいつ以来だろう。

 先生がとんでもない形相で近付いてくるが、僕は掴まれる前に窓際までふらふらと歩いていった。窓は開いているし、まあ、死ねるだろ。

「きゃ……っ!」

 女子生徒が叫んだ。

 先生も叫んだ。

 僕は叫ばない。

 明石さんは叫ばない。彼女はただ、僕へと手を差し伸べるだけだ。僕は、その手を握らない。



 目を開ければ、そこは。

「終わりだな」

 死神さんが淡々と告げた。体を起こしても、こちらを見ようともしない。

「終わりだよ。残念、お前の挑戦はここで終わってしまったって奴だ」

「どういう意味ですか」

「意味なんてねーよ。前に言わなかったか、オレは命を粗末にする奴が嫌いだってよ。ついでに言うと、意味なく諦めて死ぬ奴はもっと嫌いだ。命を大切にしない奴は外道だって言いてーんだよ」

 言えば良い。好きにしたら良い。

「だから、ここで終わりだ」

 立ち上がった死神さんの影が僕を覆う。まるで、飲み込もうとしているようだった。

「何を?」

 ぐいと襟元を掴まれて無理矢理立ち上がらせられる。

「知ってるか、死後の世界で死んじまったらどーなるかをよ」

「……どうなるんでしょうか」

「てめーのその余裕ぶった、大物ぶった態度が気に入らねー。ここで死んだ奴はな、どうにもならないんだよ。天国にも地獄にも行けないまま、ただここで朽ち果てる。多分な」

「多分?」

 ぎりりと、歯を食い縛る音が聞こえた。

「オレをここまで怒らせた奴がいねーからだよ!」

「――っ!」

 殴られるが、倒れる事は出来ない。死神さんが僕の髪の毛を掴んでいるからだ。

「試した事がねーからな、オレにもどーなるか分かんねー。もしかしたら、どこかには行けるかもな」

「あ、本気で怒ってますね」

「……ぶっ殺してやる」

 また殴られた。

「それが何よりお前の為だろーからな」

 痛みは勿論感じる。

「どーしたよ? どーして抵抗しねーんだ? お前、生きたいんじゃなかったのかよ?」

 口の中を切ったのだろうか。歯が折れたのだろうか。血が溢れてくる。

「生きたいんなら抵抗しろよ! もっと頑張ってくれよ!」

 言いながら、死神さんはまた僕を殴った。しかし、殴り殺すなんて原始的な方法だな。

「……頑張れって」

「あ?」

「いつも死神さんは言ってましたね。頑張れって、酷い言葉ですよ」

 声は震えている。僕は、恐怖しているのだろうか。

「頑張れなんて言われたら、僕が頑張っていないみたいじゃないですか」

「お前……」

 どうだろう。僕は頑張っていたのだろうか。チャレンジはクリア出来ていないし、やられたい放題だし分からない。だけど、頑張っていないって事もないんじゃないのか。

「僕は、頑張ってなかったんですか……?」

 温かいものが頬を伝う。

「お前は、馬鹿だ」

「酷いや」

「馬鹿で、捻くれてる。斜めっから世界見たって面白くも何ともないんだぜ。頭良いふりしたってしょうがねーってのによ。でも、ごめんな。オレ、馬鹿なんだ。だから、他に言葉を知らない。……頑張れって、そーいう意味じゃねーんだと思う。もっとこう、簡単で分かりやすいものなんだよ。オレはさ、ただ、お前に……」

 力が抜けていく。死神さんは遂に僕の髪の毛から手を離した。

「……泣いてるんですか?」

「ばっ、ちっげーよ! こっ、これは心の汗だよ!」

 ステレオ過ぎる。

「つーか、お前だって泣いてんじゃんよ」

「え?」

 言われて、頬に指を這わす。そこには生暖かい、液体の感触があった。

「……ああ」

 そうか、泣いてたのか。僕は、涙を……。

 気付いた時、僕は笑っていた。声に出して笑っていた。

「あ、はは、泣いてたんだ、僕」

「は、今は笑ってるけどな。あんだよ、ちったあスッキリしたかよ」

「ええ、お陰さまで」

 相変わらず、口の中がずきずきと痛んではいるのだが。

「なあ、お前は頑張ってるよ。つーか、頑張り過ぎちまったんだろーな。チャレンジ続けるのを選ぶって時点で、お前はすげーんだ。でもさ、お前はきっと何かを忘れてる」

 死神さんはこの真っ白く、何もない世界を指差す。

「思い出せよ。まだ、やり残してるだろ?」

 何を思い出せと言うのか。しかし、僕の意思とは裏腹に体は動く。立ち上がれる。

「お前は頑張ってる。認める。けど、もうちっとだけ頑張ってみろや」

「何をすれば良いんですか?」

「走れ」

「……は?」

 死神さんは地平線、があるのかもどうか分からない世界の向こうを指し示したままである。

「走れ、走って走って走って、走りまくれ」

「何か意味はあるんですか?」

「てめーで見つけろ」

「あの先に何かあるんですか?」

「てめーが見つけるんだ」

 そんな事言われても、ただ走れと言われても。

「まっすぐだ。まっすぐ行け。人間ってのはさ、マジにどーしよーもなく弱い生き物なんだよな。寄り道したり、近道したり。そんですぐに死んじまう。けど、駄目だわな。そんなんじゃ駄目なのさ。まっすぐ、まっすぐに生きろ」

「……死神さん?」

「――――頑張れ」

 それは、僕の嫌いな言葉だ。

 なのにどうしてだろう。足は、進む。歩き出す。磨り減った筈の神経が、萎えた筈の意思が、消えかけていた筈の希望が、僕に進めと、走れと呼び掛ける。そんな気がした。

 意味はないのかもしれない。何もないのかもしれない。と言うか、むしろそっちの方が当たり前だ。何もない、真っ白な世界を走ったところで何を得られると言うのだろう。全くもって、どうしようもない。

 だが、

「頑張ります」

「おー、頑張れ」

 走るのだ。走ろうと思う。

 まっすぐに、ただまっすぐに走るんだ。

「頑張れ」

「……っ」

「頑張れっ」

 無責任で、本当にもう嫌になるくらい嫌いな言葉だ。

「う、お」

「頑張れっ!」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 まっすぐ、走れ。

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